雲が聴くのは月の歌 part３ (ページ12)

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繰り返す日々ページ12

Aside

夕日に染まるその場所は
私の見慣れた場所。

あの日の事を思い出して、

何度も

何度も

同じ場面を繰り返して見ている。

　「・・・。」

それなのに、私には知る事が出来なかった。

最後の言葉がなんだったのか。

最後の願いが何だったのか。

私はずっとそれが知りたくて。

何度も何度も繰り返している。

「・・・。」

目の前が血に染まる。

真っ赤になって鉄の匂いが鼻に付く。

・・・分からない。

そう思いながら瞬きをすれば、その景色は一瞬で
元通りになる。

「・・・。」

そして、私は再び耳を傾ける。

響き渡る銃声から、なんとか言葉を拾おうとして
私はあの日を繰り返している。

・・・なんで・・・聞えないの・・・・。

私はその場に泣き崩れる。

聞きたい言葉はどうしても聞こえなくて。

言いたい言葉はどうしても、私の口から出て来なくて。

「っ・・・・・。」

・・・・ごめんなさい

・・・・やっぱり

私は・・・

そう、強く願うと私の世界は段々白くなっていった。