雲が聴くのは月の歌 part３ (ページ2)

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心配ページ2

獄寺 side

　獄「くっそ・・・・出るのが遅かったか・・・。」

俺は授業を終えると、
１人購買へ向かっていた。

いつもならチャイムが鳴るとすぐに購買へ向かって
いたのだが、今日は少し授業が長引き、教室を
出るのが遅れた。

廊下にはすでに多くの生徒が教室から出てきており、
その様子から購買にも沢山の生徒が集まっていると
予測できた。

山本と十代目は先に屋上へ向かったので、俺も早く
弁当を買って屋上へ向かわなければならない。

俺は少し急ぎ足で廊下を進む。

　ドンッッ！！

　獄「！！？」

廊下を進み、階段に差し掛かった所で
俺は誰かとぶつかった。

俺は、少しよろめきながらもぶつかった相手を見る。

　獄「っ！A！！」

　「・・・・。」

俺がぶつかった相手はAだった。

俺は驚きながらもAを見る。

　獄「A、わりぃ。大丈夫か？」

　「・・・・。」

しかし、

Aは俯いていてこちらを見ない。

　・・・A・・？

俺がAに最後に会ったのはかなり前だ。

Aは初め、１人で過ごしていたのだが、今では
応接室で雲雀と過ごしているらしかった。

Aが雲雀と過ごしていると知ってから
俺はさらに心配していた。

俺は、少しでも昔のように明るく、元気なAに
戻って欲しくて、Aと打ち解けられるような
友達ができればと思い、Aをこの学校に呼んだ。

Aの事を救ってやれるなら誰だって良い。

そう思って居たのだが・・・。

今、一緒に居ると言うあの雲雀がAの事を
理解できるとは思えなかった。

群れるのを嫌い、すぐに暴力を振るう。

そんな雲雀は他人に興味など無い。

だから俺は雲雀と過ごしているAを
心配していたのだ。