雲が聴くのは月の歌 part３ (ページ42)

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心の叫びページ42

雲「言いたい事があるのなら・・・言えばいい。」

　「っ・・・・・。」

僕のその一言で彼女の表情が変わる。

今まで堪えていた物があふれるように、微笑み
かけていた表情は崩れ、赤と黒の目に涙が溜まる。

そして

彼女は地面に膝を付くと空を見上げて泣き出した。

肩を震わせ、手を胸の前で握りしめながら、
彼女は泣き叫んでいる。

しかし、

その口から音が出る事は無かった。

　雲「・・・・。」

僕はそんな彼女を黙って見下ろす。

彼女が叫ぶその姿を見て・・・

僕はようやく彼女の言葉を知った。

彼女が泣きながらくり返し叫ぶその口の動きは
僕が今まで何度も見て来た言葉だ。

それは彼女の本心。

彼女が繰り返す４文字の言葉。

　「い・い・あ・い」

　雲「・・・・。」

　「＊＊＊＊！！！」

それは・・・

彼女の悲痛な叫び。

音の無い彼女の言葉。

僕はやっと知る事ができた。

彼女は音の無い声でずっと叫び続けていたのだ。

「死にたい」と・・・・。

　雲「・・・。」

僕は彼女が泣き止むまで。

その叫びが尽きるまで。

彼女のそばで。

彼女と一緒に・・・

雨に打たれ続けた。