イタリア語 ページ4
ラ「俺っちはねー強くてねー凄いんだもんね！」
「・・・。」
ラ「そんでねー、ぶどうと飴が好きでねー、ママンが好きでねー、強いんだもんね！」
「・・・。」
私を見上げながらその子は一生懸命に話している。
私は相槌を打ちながらその子を見つめる。
ラ「Aはー？Aの話、聞きたい！！」
「！」
その子はキラキラとした目で私を見つめた。
私は少し迷ったが、メモに字を書く。
あまり日本語は書けないので、
所々イタリア語になってしまっている・・・。
私がその子にメモを渡すと、その子はメモを眺め出す。
ラ「これ、イタリア語だもんね！！」
「！」
そう言うと私を見上げてさらに目を輝かせた。
ラ「ランボさん、イタリア語読めるもんね！」
その子は私のメモを読み上げる。
ラ「好きな物は、甘い物、お花、黄色、・・・歌！」
「・・・・。」
スラスラとメモを読む彼はイタリア語の所も
悩む事は無かった。
まさかこの子が本当にイタリア語を読めるとは思わず私は驚く。
そして。
この子は私が話さない事を疑問に思わなかったようだ。
そんな事は彼の興味の対象外。
私の存在はただ遊んでくれる相手と言う認識なのだろう。
私が相手する事でこの子が喜ぶのなら
私はそんな存在でもいい。
そしてそんな存在は私にとって心地が良い。
壊れたら捨てる。
そんなオモチャで私はいいのだ。
ラ「ランボさんもお歌大好きだもんね！」
私がメモの最後に書いた歌。と言う文字を見ると、
その子はベンチの上に立ち歌い出す。
ラ「君は誰だ〜い♪僕はランボ〜♪」
「・・・。」
楽しそうに歌うその歌は自分で作った歌らしい。
雨が降り私達しかいない公園に彼の元気な
歌声が響き渡る。
笑いながら楽しそうに歌う彼を見て、
私は昔の事を思い出していた。
私もあの頃はこの子みたいに
楽しく歌って笑って過ごしていたのだ。
「・・・。」
私は何とも言えない気持ちになりながらも
元気に歌うその子を、雨に打たれながら
静かに見守り続ける。
公園には長い間その子の声が響き続けた。
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猫のこたつ(プロフ) - 優しいお言葉ありがとうございます！皆様にはご迷惑お掛けしまして、申し訳ないです… (2019年12月25日 6時) (
レス) id: e086e98a44 (このIDを非表示/違反報告)
まくすうぇる(プロフ) - ゆっくり安静にしてくださいな。お気を付けて (2019年12月24日 21時) (レス) id: 34699431ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫のこたつ | 作成日時：2019年11月28日 10時
