空間 ページ12
「・・・。」
いつものように考え事を
していた私だったがそんな光景を見て、
雲雀さんの仕事を少し手伝おうと思ったのだ。
本当になんとなくそう思っただけ。
特に理由は無いのだけれど・・・。
私に干渉して来ない雲雀さんに少し
感謝していたからかもしれない。
雲雀さんはこの学校の風紀が乱れる事を
一番嫌っている。
そのため、私が授業をサボり、校内をうろうろと
歩き回る事が許せないらしく、私をこの応接室に
留まるように指示したのだ。
しかし、本当にそれだけで。私がこの部屋で
滞在し始めても雲雀さんとは一定の距離を保っていた。
話す事も無い。
話しかける事も無い。
そんなこの環境が私は気に入っていた。
だけど・・・日々、仕事に追われている
雲雀さんを見て、こんな私に出来る事があるのなら
何か手伝おうと思ったのだ。
この仕事を引き受ける時、私は「手伝う」と言う
漢字が書けず、イタリア語でメモに同じ意味の
Aiutoと書いたのだが、雲雀さんは分からなかった。
最終手段で私は口を動かし「て・つ・だ・う」
と発音した。
伝わらないだろうと諦めていたが・・・。
雲「・・・君がそうしたいならすればいい。」
と雲雀さんは言ったのだ。
それは雲雀さんに私の言葉が伝わった証拠だった。
私はまさか本当に伝わるとは思わず驚いた。
雲雀さんは洞察力も凄いらしい。
そんな事を思いながら私は雲雀さんから仕事を
引き受けたのだ。
「・・・。」
雲「・・・。」
部屋では書類を確認している雲雀さんと計算機で
予算の計算をする私の２人っきり。
校庭からは体育の授業をしているのだろう、
生徒達の声が微かに聞こえた。
１人になりたいと願っていた私だったけど・・・
この一定の距離を保つ静かな空間はやはり
居心地が良かった。
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猫のこたつ(プロフ) - 優しいお言葉ありがとうございます！皆様にはご迷惑お掛けしまして、申し訳ないです… (2019年12月25日 6時) (
レス) id: e086e98a44 (このIDを非表示/違反報告)
まくすうぇる(プロフ) - ゆっくり安静にしてくださいな。お気を付けて (2019年12月24日 21時) (レス) id: 34699431ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫のこたつ | 作成日時：2019年11月28日 10時
