優しさの形 ページ26
私が山本君の誘いに返事が
出来ずにいると、雲雀さんは
山本君に向かってこう言った。
雲「・・・彼女にはまだ仕事が残ってる。帰らせないよ。」
仕事が残っている。
それは雲雀さんがついた嘘だった。
私の机に乗っていた書類は既に処理が
終わっていた。
しかし、
雲雀さんはそれを分かっていながらワザと
山本君にそう言ったのだ。
雲雀さんは私が山本君に返事ができずに
いるのを見て助けてくれたようだった。
「・・・。」
困っていた私に助け舟を出してくれたのは
嬉しかったが、こんな私の為に、雲雀さんに
嘘をつかせてしまった・・・。
私は迷惑をかけてしまった・・・
だから私は雲雀さんにいつもの６文字を伝えたのだ。
「・・・。」
私は下駄箱で自分の靴に履き替えると校門へ向かう。
雲雀さんは皆から恐れられている存在だけど・・・
でも・・・
私は優しい人なんだと思う。
心配して手を差し伸べる。
それも優しさが無いとできない事。
でも、優しさの形とは別に一つではない。
何も聞かず、そばにいる。
それだって優しさだ。
今の私には心配される優しさよりも、そっとして
おいてくれる優しさの方が嬉しかった・・・。
雲雀さんはきっとそんなつもりは
無いのだと思う。
でも、群れるのが嫌いで１人で居る事が好きな
雲雀さんにはもしかしたら私の気持ちに共感できる所が
あったのかもしれない・・・。
そんな事を思いながら校門を出る直前、
校舎を見る。
すると雲雀さんが居る応接室だけ灯りが
付いていて、目立っていた。
「・・・・。」
よく見れば、雲雀さんがこちらを見ている・・・。
私は目が合ったような気がして、雲雀さんに向かって
小さくお辞儀すると学校を後にした。
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猫のこたつ(プロフ) - 優しいお言葉ありがとうございます！皆様にはご迷惑お掛けしまして、申し訳ないです… (2019年12月25日 6時) (
レス) id: e086e98a44 (このIDを非表示/違反報告)
まくすうぇる(プロフ) - ゆっくり安静にしてくださいな。お気を付けて (2019年12月24日 21時) (レス) id: 34699431ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫のこたつ | 作成日時：2019年11月28日 10時
