あの言葉 ページ21
雲「・・・後は僕が確認しておくから、君はもう帰りなよ。」
「・・・。」
僕は机の書類をまとめながら彼女に話しかける。
後は確認するだけなので僕１人で充分だ。
しかし、彼女は机の前に立ったまま動こうとしない。
僕は疑問に思いながら彼女を見上げる。
「・・・・・・。」
雲「・・・・。」
彼女を見れば、口を動かし何か話していた。
僕は彼女の口の動きを読む。
雲「・・・。」
「・・・。」
言葉を告げた彼女の表情は少し複雑な表情だった。
彼女は言葉を告げると僕に頭を下げる。
そしてソファーに戻ると、カバンを持って
応接室を出て行った。
雲「・・・。」
僕は彼女が出て行った扉を見つめながら
先ほどの言葉を思い出す。
僕が嘘をついた事に対して言ったのだろうか。
その言葉はあの時と同じ６文字だった。
雲「・・・ごめんなさい・・・ね・・・・。」
僕は彼女が告げた言葉を小さく呟く。
別に僕は大した事はしていないのだけれど。
僕に嘘をつかせてしまった事を
悪く思ったのかもしれない。
彼女と会ってから何度か目にしたその言葉。
彼女はいつも謝っている。
雲「・・・。」
僕はふと、窓の外を見る。
すると、先ほど部屋を出て行った彼女が
校門を出て行こうとしているのが見えた。
僕はそんな彼女を見る。
門を出て行く直前、彼女はこちらを向いた。
僕と目が合う。
雲「・・・・。」
彼女は小さく頭を下げると月灯りが照らす中、
静かに帰って行った。
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猫のこたつ(プロフ) - 優しいお言葉ありがとうございます！皆様にはご迷惑お掛けしまして、申し訳ないです… (2019年12月25日 6時) (
レス) id: e086e98a44 (このIDを非表示/違反報告)
まくすうぇる(プロフ) - ゆっくり安静にしてくださいな。お気を付けて (2019年12月24日 21時) (レス) id: 34699431ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫のこたつ | 作成日時：2019年11月28日 10時
