時差ボケ ページ6
Aside
「・・・。」
新しい制服を着て、
綺麗なカバンを持って。
私は今、先生の後ろに付いて廊下を歩いている。
ここは日本にある並盛中学校。
隼人のいる学校だ。
これから始まろうとしている生活は私が今まで居た
世界とは全く異なる。
向こうで学校に通って居なかった私にとって
未知の領域なのだ。
イタリアから日本にやって来たのが昨日の夜中。
それなのに今日初登校なのは少し辛い。
時差ボケの事とかもっと考えておくべきだった。
そんな事を思って居ると学校のチャイムが鳴る。
キーンコーンカーンコーン
先生「おーい、ホームルーム始めるぞー席に着けー。」
先生がそう言いながら教室に入る。
私も先生に続いて教室に入った。
教室では生徒達が話し続けていたが、教室に入った
私の姿を見ると騒がしくなった。
男「やべぇ！めっちゃ可愛いじゃん！」
女「転校生、女の子だったんだー！」
男「仲良くなりてぇー！！」
「・・・・。」
私は急に注目の的になり、身構える。
教室には多くの生徒達がいた。
先生「おーい！静かにしろー！」
好き勝手に話し続ける生徒達を先生が叱る。
先生「えー。転校生を紹介するー。名前はAさんだー。仲良くするんだぞー。」
生徒達が静かになった頃、
先生は私の紹介を簡単に始める。
私は生徒達にぺこりとお辞儀をした。
そして先生が空いてる席に座るよう指示したので
教室の空いている席に座る。
男「可愛い子だなぁ・・・。」
男「あの子、美人だぞ！」
男「俺達じゃ手が出せねぇーよ。」
「・・・。」
私が席に着くとそんな声が聞こえ、
再び教室が騒がしくなる。
先生「はいはい、静かになー。転校生の話は休み時間にしろよー。」
先生はそんな生徒達に注意しながら教科書を開く。
「・・・。」
私は皆の視線から逃げるように俯くと、
鞄から必要な物を取り出し真新しいノートに
折り目を付けた。
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作者名：猫のこたつ | 作成日時：2019年10月29日 16時
