委員長 ページ43
Aside
草「委員長！？だ、大丈夫ですか！？」
雲「副委員長。何か拭くもの用意して。」
「・・・・。」
私は今、プレートに応接室と書かれた部屋に
運ばれていた。
中に入ると、リーゼント姿の男性が驚く。
「・・・。」
リーゼントさんは私を運ぶこの人の事を
委員長と呼んだ。
この人は何かの委員会に所属しているのだろうか。
私はそんな事をぼーっと考えながら
されるがままになっている。
雲「早く拭きなよ。」
「・・・・。」
その人はリーゼントさんが持ってきたタオルを
受け取るとそのうちの一枚を私に渡し、そう言った。
私は小さく頷きタオルを受け取る。
リーゼントさんはそんな私達を見ると
静かに部屋を出て行った。
体の濡れた所を拭きながら制服の乱れを治す。
ふと首元を触れば、そこは熱を持っていた。
もしかしたら赤く痕が出来ているかもしれない。
「・・・。」
思い出されるのは先程の事。
不良三人に絡まれた時。
私は抵抗しなかった。
もう。
どうなっても良いと思っていたから・・・。
そして実際彼らが制服に手を掛け、
体を押さえつけた時は・・・。
あの日の出来事がフラッシュバックした。
無理やり私の体を押さえつける手。
私を囲む男達の視線。
そして銃声と鉄の匂い。
雲「・・・君、もっとちゃんと拭いて。床が濡れる。」
「・・・。」
そう言ってその人は私の頭にタオルを被せ、
頭をガシガシと拭き始める。
少し乱暴だけどなんだか優しく感じた。
私は大人しくその人を見上げる。
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作者名：猫のこたつ | 作成日時：2019年10月29日 16時
