雲が聴くのは月の歌 (ページ5)

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イタリアページ5

リ「じゃあ、そいつもイタリアから来るのか？」

　獄「はい。イタリアから来ます。」

　ツ「っていう事は・・・・その子も・・・」

俺の心の中は複雑な心境になる。

俺の周りでイタリアからやって来る人間はなぜか
大体がマフィア関係者・・・。

獄寺君の知り合いというその人ももしかして
マフィア関係・・・・

俺はそう考えて不安になる・・・。

また何か変な事に巻き込まれるのでは・・・・。

　ツ「もしかして・・・マフィアに関係あったりする？」

俺はおそるおそる獄寺君に聞く。
すると獄寺君はキョトンとした顔になった。

　獄「いや！アイツはマフィアに関わり無いっすよ！」

　ツ「あ！そうなんだ・・・。」

なんだ、マフィアとか関係無い子なんだ・・・。

俺は、胸を撫でおろす。

　獄「ただソイツ、ちょっと難有りでして・・・」

　ツ「？」

すると獄寺君はなぜか寂しそうな表情になる。

難がある？
一体どんな子なんだろう・・・。

獄寺君が何を考えているのかまでは分からないが、
彼の表情からその子の事を心配しているのが
伝わって来る。

獄寺君にとって大切な人なんだろうなぁ・・・。
わざわざ日本に誘うくらいだし・・・。

俺がそんな事を考えていると獄寺君の表情が
もとに戻る。

　獄「でも、良いヤツなんで仲良くしてやってください！今日はそれを言いに来たんです。」

　ツ「う、うん！まだ会った事無いけど、獄寺君の知り合いなんでしょ？大丈夫、きっとすぐ仲良くなるよ。」

イタリアから来る難のある子。

その子がどんな子かは会ってみないとわからない。
だけど、獄寺君の知り合いなら仲良くなれる気がした。

不良みたいな獄寺君とも今ではこんなに
仲良くできてるし、その子がどんな子でも
仲良くなれたらいいな。なんて考える。

友達は多い方が楽しいし。

俺がそう言うと獄寺君はとても安心したような
表情になり、俺にお礼を告げた。

俺はその後も獄寺君と他愛ない話しをしながら、
頭の片隅でその転校生がどんな子なのか
想像していた・・・。