校舎裏 ページ38
Aside
午前授業。
本来であれば数学の時間。
いつものように授業をサボる私は雨に濡れながら
校舎裏の陰に座り込んでいた。
「・・・。」
そこで思い出されるのは朝の出来事。
朝、登校中に隼人に会った。
隼人は私の心配をして色々気にかけて
くれていたが・・・。
獄「A・・お前・・・居なくなったりしないよな・・・。」
そう・・・呟いたのだ。
私は・・・何も言えなかった。
「・・・・。」
私は雨に打たれながら空を見上げる。
雨は止む事無く私に降り注ぐ。
隼人は私の事を大切に思ってくれている。
こんな私を助けたいと思っている。
それなのに・・・私は・・・。
朝の隼人を思い出す。
隼人の顔は不安と悲しみを含んだ表情だった。
私の心の奥が見えない何かに締め付けられる。
違う・・・。
隼人のせいでは無い。
私が・・・
私が全部・・・
悪いのだから・・・。
男「おいおい、こんな所でサボりかぁ？」
男「いけねぇーなー？生徒は授業受けなくちゃいけねぇーんだぜぇー？」
男「俺達は特別だけどなぁー」
「・・・。」
雨に濡れながら考えに浸る私に誰かが声をかけて来た。
今日は特に１人で居たいのに。
どうやらそうもいかない様だ。
私は黙ってその男子生徒達を見上げる。
彼らは上級生なのだろう。
私よりも遥かに大きい体をしていて、
制服を着崩し、ピアスやネックレスなんかを
付けていた。
その姿から不良である事が分かる。
「・・・・。」
私は何もする気が起きず、
ただ黙ってそんな彼らを見上げ続けた。
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作者名：猫のこたつ | 作成日時：2019年10月29日 16時
