雲が聴くのは月の歌 (ページ35)

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場所ページ35

Aside

今日、私は中庭に居た。

私が転校してきてから１週間。
私は授業に出て居なかった。

学校に登校しても、教室には行かず、
１人になれそうな場所を探してそこで過ごした。

１人になれる場所。

そこは静かで、誰も居ない。
私はそこでいつも思い出に耽る。

　雲「君・・・またサボっているの。」

　「・・・。」

しかし、そんな事を考えているといつものように
あの人が現れる。

私がサボり始めてからずっと私はこの人に
発見され、注意されている。

この人は一体何者なのだろう。

　雲「・・・・。」

　「・・・・。」

私がその人を見つめているとその人は
トンファーを取り出し構える。

殺気を出しながら私を見つめるその目は
私の姿を映している。

その目に映る私は小さく、細く。弱々しい。

しばらく待ってもその人は何もしないので、
私は小さくお辞儀をしていつもその場を立ち去るのだ。

・・・今日は・・・どうだろうか。

そんな事を考えながら私は今日もその人を見つめる。

　
　雲「・・・君、咬み殺されたいの。」

　「！！」

しかし今日、彼は私にそう言った。

私は思わず小さく笑ってしまう。

私はいつものようにお辞儀するとその場を去った。

教室に戻る訳ではない。

場所を移動するだけ。

私はやっぱり１人でいたいから。

私は校内を歩き回る。

１人静かに過ごせる場所を探して・・・。