脆い壁 ページ42
ッバァァァアアアン！！
ガラガラガラ・・・。
「・・・。」
壁は簡単に崩れ、扉の横に大穴が空いた。
あまりにも簡単に崩れたので、このビル自体の耐久性が
心配になったが・・・
まぁ・・・大丈夫だろう。
そして私は穴から部屋の中へと入った。
「・・・。」
部屋の中には多くの紙が散乱していた。
よく見ると何かの伝票や書類のようで、ここで薬の
取引の証拠が見つかりそうだ。
「・・・。」
私はガサガサと書類を漁る・・・。
しばらく探すと・・・。
「！！」
見つけた。
薬の流通リストだ・・・。
パラパラとめくると様々な名前が書いてある。
これで薬の渡った先がわかるだろう。
「・・・？」
パラパラと眺めていたら気になるページがあった。
これは・・・
どこかの工場の資料らしい。
内容を確認すると、市販の風邪薬を生産している
工場のようだが・・・
「・・・。」
しかし、
次のページをめくると・・・。
「！」
載っていたのは、裏で取引されている薬の詳細と
交渉金額だった。
つまりはこの工場から大量に薬が生産されている
という事だ。
この資料があれば、薬の発生源と流通先の両方を同時に
潰す事ができるだろう。
「・・・。」
私はこの資料を証拠として、持ってきていた小型の
カメラで全て写真を撮った。
まぁ、リストは持って帰るので写真は使わないだろう。
「・・・。」
カシャッ！
私は自分にカメラを向けて写真を撮ってみた。
ちょっとした出来心というヤツだ。
必要な情報が手に入り少し浮かれているのだ。
写真はどうせ誰も見ないし良いだろう。
帰ってから消せばいいのだ。
そう思いつつ、資料はまとめて隊服の
内ポケットにしまう。
「・・・。」
こちらの仕事は終わったが・・・。
ベルの方はどうだろうか？
私はベルを探して再びあの真っ赤な廊下へと足を
踏み入れた。
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作者名：猫のこたつ | 作成日時：2019年7月20日 13時
