王子の言葉 ページ39
Aside
朝の６時。
私達は目的の場所に向かう為、車に揺られていた。
うっすらとしか日は登っておらず、辺りは霧に
包まれている。
べ「しししっ。まさかAと一緒の任務になるとは思わなかったぜ？1人だとツマラナイし、殺しに夢中になって情報聞き出すヤツまで殺っちゃったりして後で大変なんだよねー」
「・・・。」
隣に座るベルは早朝にも関わらず楽しそうだ。
やはり面倒な情報収集は嫌いらしく、私が居る事で
殺しに集中できるから機嫌が良い。
べ「情報収集とか報告書とか細かい事キライ。だって俺、王子だもん♪」
「・・・。」
ベルがよく言う「だって俺、王子だもん♪」は何でも
許されてしまう魔法の言葉だ。
ヴァリアーの中でも１番の我が儘っ子のベルがそれでも
幹部の地位に居るのは、殺しの仕事で他を圧倒する
実力があるからである。
べ「いつも面倒な事はスクアーロに任してるけど・・・今日はAがやってくれるんだろ？」
しししっとベルは笑いながらこちらを向く。
「・・・。」
私は頷く。
ここで私が首を横に振れば、貯まった仕事が
スクアーロへ流れるのだろう・・・
それは阻止しなければ・・・。
べ「昨日も面倒な仕事はスクアーロに任したんだぜ？あのサメを虐めるのって楽しーんだよなー。」
「・・・。」
ベルはニヤニヤと黒い笑みを浮かべている。
これは悪い事を考えている笑みだ。
べ「昨日あのサメ、一度もメシ食いに来てないだろ？俺が押し付けた仕事に追われてたのかもな。かなりの量だし、もしかしたら今もまだ・・・しししっ。」
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作者名：猫のこたつ | 作成日時：2019年7月20日 13時
