ホットミルク ページ30
Aside
「・・・。」
私は薄暗い廊下を歩いていた。
今の時刻は夜中の１時くらいだろうか。
午後のほとんどを気を失って寝ていた私は夜に
なっても全く寝る気になれなかった・・・
「・・・。」
いつものようにお風呂に入り、出た後はクローゼット
から淡いピンクの可愛いネグリジェを出して着た。
私は可愛いものは好きだが、自分が身に付けるとなると
話は別。
可愛いものが自分に似合うとは思えないからだ。
なのでこういう服装はやはり好まない。
まぁ、私がどんな服を着ていようと誰も気にも
留めないだろう。
しかしこのネグリジェは私の冷えた体を温めるには
露出している部分が多すぎる・・・
夜の廊下は冷え込んでいて、カーディガンを着て
くれば良かったと後悔している。
「・・・。」
私はラウンジに向かって歩いていた。
部屋に居てもよかったのだが、やる事もなく、
眠くもならず、暇を持て余した結果。
ラウンジで1人ホットミルクでも飲もうと思ったのだ。
部屋にもキッチンはあるが、食材などは自分で補充
しなければならず、部屋の冷蔵庫には水しか入って
いなかった。
部屋には黒い小さな子が居る事だし、その子の為にも
ミルクは必要だ。
時間がある時に買い物に行こう・・・
「・・・？」
前方にラウンジの入口が見えてきたが、ラウンジには
灯りがついていた。
こんな時間に誰かが使っているのだろうか。
幹部以外の隊員・・・という事もありえるが・・・
「・・・。」
まぁ、誰かが居たならミルクだけもらって
部屋に戻っても良いだろう・・・
そう考えて私はラウンジに入って行った。
「・・・！」
ザ「・・・。」
ラウンジに入るとそこには、ボスのザンザスが
ソファーに座っていた。
よく見るとテーブルには酒瓶が数本並んでいる。
どうやら、1人で晩酌しているらしい。
「・・・。」
数時間前の記憶が頭の中を駆け巡る。
スクアーロは怒っていないと言っていたけど、無断で
部屋に侵入し、さらに部下が部屋で気絶しているなんて
状況を作り出してしまった私は、罪悪感やら自責の
念やら、いろんな事でいっぱいで、仕事ができない
道具は簡単に捨てられてしまう事を知っていた。
そんな事からしばらくはボスに会いたくないと
思っていた。
しかし、
そんな相手にいきなり遭遇し、私の体は
固まってしまった。
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作者名：猫のこたつ | 作成日時：2019年7月20日 13時
