く ち う つ し 【 飴村乱数 】 ページ6
※ 部屋の掃除をしていたら今年の夏にメモ程度で書いた作品がありましたので、それの修正版です、季節は夏です
17時を過ぎても体を突き刺すような紫外線と暑さ。
今年の夏は例年よりも暑い。
数年前の友達に「 最近遊べてなかったから遊ぼう 」とビーチに集合させられて向かうと、既にかなりの面子集まっていた。
久しぶりに会う彼ら。深呼吸をして、僕はビーチに足を踏み入れた。
「 おっ待たせ〜!」
元気よく挨拶をすると、「 久しぶり 」の声が沢山聞こえた。
その中で、小さな声が聞こえた。
「 乱数くん……? 」
その声の主は、僕がかつて恋をしていた女性だった。
変わらずの愛嬌で、一目見れば誰だか認識できた。
他の面子とは定期的に連絡を取っていたが、彼女とは一切連絡を取っていなかった。
そのぶん、自分の中でのレア度も高かった。
「 ……Aちゃんも久しぶり 」
「 うん、ほんとに 」
彼女とはそれだけを交わし、僕は輪の中の会話へ入った。
ビーチバレーをしようという誘いも断り、僕は全員ぶんの飲み物を買いに行こうとした。
その場のノリについていけないし、ましてや今は夜だし。
本当は幻太郎を事務所に呼ぶ予定だったが、突然の招集。仕方がない。
「 乱数くん 」
ビーチバレーに参加していたはずのAの声が聞こえる。
慌てて振り向くと、彼女はニコニコと笑っていた。
「 バレー、やらないの?」
「 あー、うん、僕はいいかな。あ、そうだ。今から飲み物買いに行くんだけど、何かリクエストはある?」
まだニコニコしている彼女に聞くと、「 私もついて行く 」と満面の笑顔で答えた。
レジ袋を両手に握りながら、コンビニを出る。
「 寄り道しようよ 」との彼女の提案に、僕達は公園へと向かった。
袋から二人ぶんの缶を取り出す。
片方を彼女に渡すと、「 乱数くんのジュースも美味しそう 」と笑った。
「 交換する? 」
何気ない僕の一言に、彼女は「 じゃあ一口だけもらおうかな 」とまたしてもニコニコと笑った。
プシュっと音を立ててプルタブを開ける。
「 どうぞ 」と缶を彼女に渡そうとする手が止まった。
「 どうしたの 」という彼女の声をBGMに嫌な考えが脳を支配する。
一度支配したらもう抜けられない。
「 口移し、しようか 」
僕はまだ彼女への恋心を忘れられないみたいだ。
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次回予告 『 Unstoppable 』 Main 碧棺左馬刻
U n s t o p p a b l e 【 碧棺左馬刻 】→←ラ イ ラ ッ ク 【 観音坂独歩 】
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ゆゆ - すごく丁寧な文章で読みやすかったです。これからも頑張ってくださいね! (2019年3月7日 22時) (レス) id: 9c563060f2 (このIDを非表示/違反報告)
虹 恋(プロフ) - のんたんさん» ご指摘ありがとうございます。個人的な意向で地の文の一人称は「僕」に統一しています。しかし、左馬刻や理鶯などはしっくりこなかったのでそのままになっております。 (2019年1月14日 17時) (レス) id: caee934ee2 (このIDを非表示/違反報告)
虹 恋(プロフ) - まぼさん» 了解致しました。体調が悪いのと色々とバタバタしていますので、遅れてしまいます。ごめんなさい。 (2019年1月14日 17時) (レス) id: caee934ee2 (このIDを非表示/違反報告)
まぼ - 付き合ってる設定で、風邪を引いた夢主を看病する左馬刻様が見たいです。リクエストです。お願いします。 (2019年1月7日 15時) (レス) id: 65a9d51e4d (このIDを非表示/違反報告)
のんたん - 銃兎さんと独歩の一人称、違いますよ?銃兎さんは、私or俺で、独歩は、俺です。 (2019年1月7日 15時) (レス) id: 65a9d51e4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:虹 恋 | 作成日時:2018年9月30日 13時