May I help you？ (ページ2)

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ｶﾗﾝｶﾗﾝ…

『いらっしゃいませ』

バーカウンターに3人の男性。

結構若いな…

20代くらい？

え、でもあの子まだ未成年っぽそう…

『いかがなさいますか？』

「えっ、あー…じゃあ…とりあえずジントニックで」

『かしこまりました』

ボーッとしてたから何も考えてなくていきなりバーテンの人に声をかけられたからびっくりした。

とりあえず今日は飲む気で来たから甘いのは無し。

…にしても。

すごいな、ここ。

店内にはオシャレな音楽が小さく流れ、お客さんもまばら。

『お待たせしました。こちらジントニックでございます。』

少し厳つい顔をしたバーテンさんがお酒を持ってきてくれた。

ジントニックは他ではあまり見ないようなグラスに入ってる。

これってもしかして…

「…あれ、これ…琉球ガラス…？」

『ご存知なんですか？』

「あ、えっと…まぁ、はい。」

『当店のこだわりなんです。うちで使用してるグラスのほとんどが琉球ガラスになってます。』

「そうなんですか…素敵ですね」

『ありがとうございます。…では、ごゆっくり』

「ありがとうございます」

琉球ガラス…

私も昔、いくつか持ってた。

訳あって今はほとんどないけど。

それにしてもジントニック、凄く美味しい。

大衆居酒屋に慣れてしまったのもあるのかもしれないけど。

たまにはこんなオシャレなところで飲むのもありだなーって思いながらボーッとする。

「…はぁ。」

夜になると嫌なことを考えてしまう私。

今日の仕事の反省とか、なんであの時ああしなかったんだろうとか。

考えたって仕方ないんだけど、どうしても最近はこの癖が抜けなくなってしまってきた。

今日のあのミス、私がもっと早くに気づいておけばな。

そう考えてると、目の前にコトンと置かれたグラス。

中には綺麗な青色のカクテル。

「えっ…」

『こちら、“チャイナブルー“でございます』

「えっと…頼んだ覚えないんですけど…」

『私からのほんの気持ちです。お代は結構ですので、いかがですか？』

「え…」

目の前には真っ青なカクテル。

まるで南の島の海のような透き通った青。

それがやけに私の心を動かした。

「じゃあ…お言葉に甘えて…いただきます。」

『ありがとうございます』

こんなサービスもあるんだ…

さすがだな…