終天に巡り逢うⅣ (ページ12)

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少しキレ気味の私のお腹に回させた腕に力が篭り、更に密着させるとウルド様は耳元で囁く。

「そうやって、逃げられないのを分かっていながら私から逃げようとして、捕まえられて、嬲られて…イイ声で啼くのがな」

加虐心がふんだんに盛り込まれた…色のある低い声に、ブワッと顔が紅くなる。

『っ！？』

急にドSスイッチ入らなくていいよ！？やめて！？キャラ違う！いつものウルド様になろう！？生真面なウルド様どこ！？

矢継ぎ早にそう考えている間も、ウルド様は片手で私の顎を掴んで上に向けると、無防備に晒された首筋にも後ろから唇を寄せて舌を這わしてきて、ゾワゾワと背筋が粟立つ。
時折触れる彼の髪が擽ったい。

『ちょ、ま…！っん』

耐えるように、ウルド様のもう一方の腕を掴んで目を瞑る。

「…私の伴侶は、どうやら自覚が足りないようだからな。以前少しずつとは言ったがあまり焦らされると…飢えた獣に囲われるかもしれんぞ」

『っ分かった！分かりました！！』

「本当か？まぁ私はいいんだがな」

ふ、と笑うとウルド様は私を解放し、瞬間で離れた私を見て彼は愉しげに瞳を細める。
あかん…完全に捕食者モードに入ってる…。誰やねん。

「戻るぞ」

『な…何もしませんか？』

「して欲しいのか？」

ぶんぶんと首を横に振る。

「別にしてもいいが…話もある。だから屋敷に帰るぞ」

帰る。

その何気ない言葉が私にとっては嬉しい。
そっとウルド様に近付けば、手を取られて指を絡められる。
そして歩き出す彼の横をついて歩く。
何も話さないけれど、心地いい時間。
少し歩くとルクさんがいて。

「喰われたか？」

『うるさい』

合流したルクさんは揶揄ってきて、睥睨する。

「あれはおまえが悪いだろ」

『う…だって分かんなかったんですもん』

「恋愛経験値ゼロ娘だもんなー。まぁウルド様にしっかり教え込まれろよ。ね？ウルド様？」

「言われるまでもない」

「だってさ」

楽しそうにルクさんは笑う。こいつ絶対楽しんでるな。

『お手柔らかにどうぞ…』

「A次第だな」

『うー』

「目一杯愛されとけよ」

『お手柔らかに…』

「ウルド様、こいつ絶対鈍いからぐいぐい行くことをオススメします」

『はぁ？』

ルクさんの言葉にウルド様は私を見て、

「…ああ、そうだな。彼女はそういう事が苦手なようだし…強引にいったほうがいいだろう。そうだろう？A」

瞳を細めながら怖い発言をしたので遠い目をしてしまった。