その瞳に世界が"移る"時 [ハリー・ポッター] (ページ4)

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3話ページ4

「母上…__」

唇が震えた。言葉を飲みこみ深呼吸する

母上は私に気付かず周りのものに当たってる。父オリオンは見慣れていて今日も自室に閉じこもったまま

どうせ母上のことだ。癇癪の延長線で心無いことを言ったに違いない。そう割り切るにはあまりにもタイミングが悪かった。
私はそれ以上聞きたくなくて、急いで階段を駆け抜け自室に逃げた。

息を切らしたのは日頃の運動不足。

曰く淑女はお淑やかにしなくてはいけない。だから外で遊ばず、家に閉じこもり、両親のいうことに従い本を読んで過ごした。
そんなブラック家に従う従順な妹をシリウスが冷ややかな目で見ていたとは知らずに…

"シリウス私の良い子、早く目を覚ますのよ！！"

呪いのような言葉を聞きながら、眠りに入る。

結局、朝まで母の癇癪は続き、屋敷の夜が怖くなった。

「Aお嬢様にピッタリの首飾りをご主人様自ら選んでくれたんですよ！」

クリーチャーの嬉しそうな声で現実に引き戻される。

いけない、しっかりしなくちゃ、ブラック家の者として。

来月にはスリザリンに入るのだから

「まぁ、お父様が？」

声が自分でも弾むのが分かる。家族に関心のないお父様自ら選んだなんて

「これです。クリーチャーも思わず見とれてしまいましたよ！レグルスっていう星がモチーフらしいです」

顔をキラキラさせて何やら無駄に豪華そうな箱から出して見せてくれたのは至ってシンプルな、宝石と見間違えるぐらい綺麗なガラス玉がフルーツカットされてるネックレスだ

よく見るとガラス玉に本物の宇宙のように星が散りばめられている。

心臓がドクンと高鳴る__なんだか不思議な感じだ。

星の中でも青い…控えめに主張し、それでもなおどの星よりも輝いている。

「この星…」

ポツリと声が漏れる。なにこれ…

クリーチャーは私の様子に気づいてないの

手が震えて、汗が出る

「さすがAお嬢様お目が高い、その高貴なる星こそ小さな王、レグルス(レギュラス)ですよ」

それからの記憶はない。
クリーチャーが叫んで、そのまま眠るように意識を失った。

パーティは主役の体調不良により主役不在のまま行われた。

次起きた時にはきっと、私がレギュラス・A・ブラックではなく、なぜかいるはずのない義妹のA・A・ブラックとして生まれ変わってたと辛うじて認識できるようになっているはず

とにかく…

頭痛い。