その瞳に世界が"移る"時 [ハリー・ポッター] (ページ25)

今日:11 hit、昨日:3 hit、合計:76,100 hit

23話ページ25

寒さが際立ってきた日。

今年のハロウィーンは色々と賑わった。
ここぞとばかりに悪戯仕掛け人…主にジェームズとシリウス。それとリーマスが嬉嬉としてお菓子くれても悪戯するぞな具合で学校中を騒がせたのだ。

スリザリン生は、品がないとかで顔を顰めていたが、シリウス(超絶イケメン)がニコッと微笑めば、女子達はたちまち虜になった。

カミラさんなんか頬を赤く染めてぽーっと見とれているじゃないの

声を大にして言いたい、
あの兄は絶対に確信犯よ、外見に惑わされないで！と。(そもそもカミラさん、あなた許嫁はいいのか？)

夜まで暇な私はスリザリンの談話室で7年生の従姉妹ナルシッサとお茶をしていた。

ちなみにカミラさんとシーナさんはシリウスを追っかけている。全くもって薄情な友人め。

リーマスのハハハハッチョコがいーっぱいだぁー！という不気味な笑い声が談話室まで聞こえて来たが、紅茶を1口含み聞こえないふりを装った。

ナルシッサことシシー姉さまは、金糸の髪をスリザリンカラーである、深緑の質のいいリボンでキッチリとハーフアップに結び、水色の綺麗な瞳を細め優雅に笑う。他の姉達とは違った意味で美少女だと思う。

「もうホグワーツには慣れたかしら。私が卒業したらスリザリンでブラック家出身は1人でしょ？」

どこかのんびりとした口調で紡ぐ。こういう所が思わずお姉さまぁって縋りたくなるのよね。

「はい、先輩方には良くして頂いて毎日充実した日々を送らせて貰っています。…シシー姉さまは卒業したら、マルフォイさんと結婚ですよね」

今どき政略結婚の相手に一目惚れして、今じゃお互いに愛し合っているというではないか。
シシー姉さまは恥ずかしそうに目を伏せた。可愛らしいわ！

「えぇ、一年は向こうのお屋敷で花嫁修業をするの。ルシウスが婚約指輪をくれたのよ」

嬉しそうに婚約者について話すシシー姉さま

闇の勢力がどんどんと増している今、マルフォイ家は完全に闇の陣営に加わったという。

シシー姉さまは敢えてその事を伏せ、子供が出来たら一緒にお茶がしたいと将来について語った。

その瞳は不安の色も確かにあるが、それでも愛する人との未来を夢見てキラキラと輝いているアクアマリンのようだと私は思った。

その後はふくろう便で母上から大量のお菓子が届いたり、バーティが菓子を持ってなかったので遠慮なく服を女物に変えたりしてそこそこハロウィーンを楽しんだ。

穏やかに笑ってられるのも、あと何年だろうか？