12話 ページ13
※バーティ大幅に捏造です。
グリフィンドールは、勇気ある者が住まう寮。勇猛果敢な騎士道こそが、グリフィンドールと他との違い。
ハッフルパフは、正しく忠実で、忍耐強く真実で、苦労を苦労と思わない人が入る寮。
レイヴンクロウに入るのは、意欲があって賢い人。機智と学びをね共有する、友人ができます。
スリザリンは、手段を問わず目的を遂げようとする野心、その資質を持った人が行く所。
かぶってごらん。怖がらないで。私の手にゆだねよう、私は考える帽子！
広間によく聞こえる声で歌う帽子。これから人生を左右すると言ってもいい組み分けが始まる__。
コンパートメントを出たのはいいが、また振り出しに戻ってしまった。
根気強く席を探すと、偶然にも名家の子息令嬢がいる空いている席が見つかった。そこにはまだ幼い、後の死喰い人であるはずのバーテミウス・クラウチ・Jrも混じっている。
バーティは年齢に合わず優雅に自己紹介をする。なぜか、視線はこちらを縫い付けたまま。
そんなに見られたら困るわ
各々談笑していると、ふとした瞬間バーティの視線を感じる。
まるでねずみを追う猫の眼のようで、それでも不思議と怖くはない。
__彼等と同じ寮になったら仲良くすると約束して、今に至る。
「名前の順に呼びます。呼ばれた生徒はこの椅子に座って組み分けをしてください」
マクゴナガル先生はよく通る声で言った。
瞬時に決まる生徒もいれば、長い時間をかけて決まる生徒もいるが皆が誰も真剣な表情。
心臓が高鳴る。
大丈夫、と手を強く組んだ。同時に爪が皮膚に食い込む。
強い、深い傷を残すことにした。幼い頃から優秀な兄と比べられ、次第に誰も本当の私を見てくれない。
一矢でもいいの、報いたい。
___ふとグリフィンドールから視線を感じる。
シリウスがこちらを見ていたのだ。
"安心してよ、お兄さま。あなたと違って私は役目を果たすから。"
「A・A・ブラック！」
真っ黒な墨が零れ、白い紙に広がるように…Aの心は黒いもので覆われる。
ブラックという名前に周囲が騒がしくなった。
「あの出来損ないの妹が…」と聞こえてくる。
「はい」
お淑やかに返事をし、速くも遅くもなく、堂々と歩く。周りのゴーストがザワつく。
壇上に上がる前にカーテシーをした。誰かの息を呑む声が聞こえる。
誰もが納得する完璧さ。
もう私を"劣った妹"だといわせない___。
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作者名：胃痛のアリエッティーナ | 作成日時：2017年8月8日 7時
