41．事態は動き出す ページ41
差し出された手紙を受け取り、さっと見てから封を開ける。
中から出てきたのは普通の便箋。そこには武骨な文字で文章が綴られていた。
「……お嬢様、これは、ジイド大佐からです」
「っ！？」
そう言って主人へ手紙を渡すと、青年は話し始めた。
「……っ、一月前から大佐に謀反の疑いがあると噂が流れ始めました。部下である我々は勿論信じていません！しかし、その噂は大きくなる一方で……そして昨日、大佐は何者かに襲撃され……」
「そうか……ご家族はどうなった？」
「我々が到着した時には既に……その手紙は、大佐から最後に託されました」
「なるほどな」
そう言って、私は青年へ銃を向けた。
「一体、なにを……！？」
「……はぁ」
動揺している青年とトントンさんを無視して私はゆっくりと歩き出す。
「まさか、ここまで頭の弱い連中が揃ってるとは思いもよらなかったよ」
「な、何を仰ってるんですか……早く大佐を襲撃した奴らを探しに行きましょう！？」
「……第一に、」
言い聞かせてあげるようにゆっくりと話し始める。
「この手紙を大佐が最後に託したのなら多少の血痕がついていても可笑しくない。更に、宛名はあるが差出人が無いということはそれが確実に分かる相手、つまり家族へ渡すつもりだったのだろう」
「しかし、ご家族はもう既に」
「あの方なら襲撃を予測して家族を逃がす為に部下を傍に置くだろう。そして、予測のついた襲撃なら事前に手紙を渡している筈」
「予測がつかなかったからこのような事態になったのでは！？」
「はぁ……どれだけ言っても、認めないんだね？」
青年の表情が僅かに動いた。
「君は言ったね。"大佐が謀反をするなど有り得ない"と」
「勿論です！！大佐はそのような事をする方ではありません！」
声を張り上げる青年の姿に溜息ばかりが出てくる。
「それが既に間違っている。大佐は密かに信頼のおける部下を集めて革命を起こそうとしていた。それを否定した貴様は」
言い切る前に青年の持つ凶刃がアイラを狙う。
当然、それを見逃す訳もない。
ナイフを持つ手の甲を銃で殴り、怯んだ隙に腹を容赦無く蹴る。
「ぐっ！……っ、ぅ……ごほ」
動けなくなった相手を素早く拘束して、猿轡までさせてから主人の顔を伺う。
「どうなされますか？」
「期待は出来ないけど、念の為ここの牢に入れて頂けませんか？」
「お、おん……分かったわ」
戸惑いつつも、トントンさんはショッピさんへ指示を出して青年を牢へ連れて行かせた。
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ニコ(プロフ) - 白夜（ハクグン）さん» 温かいお言葉をありがとうございます!!おかげで創作意欲が取り戻せましたw無理をしない範囲で物語を進めていきますのでお楽しみに。 (2020年11月14日 16時) (
レス) id: 531ac8166f (このIDを非表示/違反報告)
白夜（ハクグン）(プロフ) - 初コメ失礼します！騎士さんとお嬢様が大好きすぎてもう、、、すごく読んでて楽しい作品です！応援します！あ、これからも、です！最近色々問題が多いので、お体にも気をつけて、、、無理せず頑張ってください！ (2020年11月13日 12時) (レス) id: d2ad143a92 (このIDを非表示/違反報告)
ニコ(プロフ) - Ｒ_さん» ありがとうございます！そう言って下さる方がいるだけで頑張れます……！最後までニヤニヤ出来る作品を目指しますw (2020年5月18日 9時) (レス) id: 531ac8166f (このIDを非表示/違反報告)
Ｒ_ - 初コメ失礼します！！ とても面白くてニヤニヤしながら拝見させて頂いています(((変質者))) この作品大好きっす…！ 応援してます…！！ 更新、無理しない程度に頑張ってください…！ (2020年5月18日 1時) (レス) id: 882f22aeaa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ニコ | 作成日時：2020年4月13日 23時
