122.お出掛け ページ24
玄関で履き物を履いて、そのまま出るのかと思いきや「A」と名前を呼ばれる。
「どうしました？」
「さっきは、照れてしまって言えなかったが………」
そう口にする彼がそっと私の頬に触れる。
「今日のAはとても綺麗だ。本当に良く似合っている」
真っ直ぐに見つめられてどきどきと胸が鳴る。
「ありがとうございます」
嬉しくて微笑む。
「杏寿郎さんも凄くカッコいいですよ。とても素敵です」
思ったままの事を伝えると、嬉しそうに手を差し出してくれた。
「そう言ってもらえて嬉しい！今日一日よろしく頼む」
「えぇ。私の方こそ」
彼の手に自身の手を重ねるとそっと握ってくれる。
握り返すと彼が玄関の戸を開けた。
青い空の元、私たちにとって楽しい一日が始まろうとしていた。
＊＊＊＊＊
「歌舞伎、面白かったです！」
「それは良かった！」
「最初は難しいお話しかと思って身構えていたんですけれど、あんなに迫力があるなんて！」
洋食のお店に入った私たちは向かい合いながら、午前中に観ていた歌舞伎について話していた。
私はオムレツと言う卵料理。
杏寿郎さんはオムレツの他にもローストチキンと言うお肉料理を沢山頼んでいた。
暫く感想を言い合っていると、注文した料理が運ばれてくる。
大量の料理に周りの人たちが目を丸くしてこちらを見た。
しかも、彼が食事を口にする度に「うまい！」と大きな声で言うから余計だ。
私は彼のこの光景に慣れてしまっていたので、気にしていなかったけれど、注目されるのは少々恥ずかしい。
けれど、また話しに集中してしまえば、周りの視線はもう気にならなくなっていた。
「次にAと出掛けるときは、君が気にしていた芝居を観に行こう！」
その言葉に食べていた手を止めて杏寿郎さんを見る。
“何処へ行きたいか”について、彼に話したとき、蜜璃ちゃんとの会話で思い付いた食べたい物を伝えると「他にはないのか」と聞かれ、「敢えて言うのなら…」と、ぽろっと伝えていたものだった。
「いいんですか？」
「勿論だ！俺も能や歌舞伎は好きだが、芝居小屋はまだ行ったことがなくてな！気になっている！」
同じものを彼と共有して楽しんで、また同じ楽しみを共有出来ることが嬉しくなった。
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月見(プロフ) - 莉子さん» 可愛らしく書けていてよかったです！作者も早く二人には祝言あげて欲しくてうずうずしています！でもきっとあともう少しです(^^) (2021年3月10日 21時) (
レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
莉子(プロフ) - 夢主ちゃん可愛いですね( ´ ▽ ` )早く祝言あげて欲しいですね。。。 (2021年3月10日 20時) (レス) id: da7568f49d (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - 莉子さん» ありがとうございます！夢主ちゃんには甘い煉獄さんを書いてみたら、自然と優しくなりました(*^^*) (2021年3月1日 12時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
莉子(プロフ) - 煉獄さん優しい。。（ ; ; ）月見様の煉獄さん大好きです。 (2021年3月1日 12時) (レス) id: da7568f49d (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - 莉子さん» コメントありがとうございます！プロポーズのシーンは悩みながら書いたので、そう言って貰えて嬉しいです！夢主ちゃん、少しずつ成長してます(^^) (2021年2月26日 12時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月見 | 作成日時：2021年2月4日 23時
