検索窓
今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:8,133 hit

0*Ken Side ページ1






「_______…!」




不意に耳を掠めた女の声とは裏腹に、
低い声が今度は耳に入ってきた


「そんなこと言わずによぉ」


自分が向かっている方向から、
徐々に大きくなる声


小さな路地

首を傾けて見てみれば、
女と男だった


だけど、見るからに女が嫌がっているのは丸わかりだった


堅「おい、嫌がってんだろ」


俺の言葉に、馬鹿みたく反論してくる男



………あー、うっせぇなぁ


堅「てめぇ、」



一瞬にして、言おうと思った言葉が消えていった

本当に一瞬、



………一瞬の事だった



目の前では男が倒れていて、
女に至っては、似つかわしくない溜息を吐いては
足を戻した


その一瞬を、俺は見逃さなかった
女が男に蹴りを入れたのだ


男は起き上がる気配はなく、
地面にぶっ倒れていた

そんな男を蹴ったにもかかわらず、
丁寧に壁へと移動させた女は俺に向かってこう云った



″これ、ナイショだよ″



困った顔をして云ったと思いきや、
すぐに真顔に戻っては、
路地から抜け行こうとする後ろ姿に向かって、
声を掛けた



堅「お前、何モンだ…!」


迷い無く綺麗に決まった蹴り
…それは、今まで見てきた中で1番綺麗だと思えた



女の答えは、人差し指を立てて口へと持っていった



″内緒″



ということだろう


そんな淡白な女を俺は忘れられないでいる_____

1→



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (10 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
37人がお気に入り
設定タグ:東京卍リベンジャーズ , 東リベ , 龍宮寺堅   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:松城美樹 | 作者ホームページ:https://twitter.com/matsushiro_m  
作成日時:2021年7月11日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。