松田さんと黒の少女

不安 ページ9

松田さんのその言葉は、わたしの不安な気持ちを、

少しづつ解きほぐしていった。わたしは不安だったんだ。

「ありがとうございます。あなたのおかげで、助かりました。」

わたしは松田さんにそう言った。

「役に立てたみたいで良かった。その代わりと言ったらなんだが、

あんたの名前を教えてくれないか？」と松田さんに聞かれた。

「わたしの名前は佐々木 朱莉。帝丹中学校の1年です。」と私は答えた。

「貴方の名前は？」と私は尋ねた。

「俺の名前は松田 陣平だ。一応刑事だから、何かあったら頼ってくれよ。」

やっぱり松田さんだったんだ。

「刑事さんなんですか？警察手帳を見せてくださいよ。」と

私は本物の警察手帳を見てみたくて言った。

松田さんは、ポケットから取り出すと私はに見せてくれた。

「ほらよ。」得意げな顔をしているところもカッコいい。

「本物だー。松田刑事ですか。カッコいいですね。」と

私が素直な感想を言うと、松田さんは嬉しそうに笑った。

私はここであることに気づいた。

「松田さんって、今何才ですか？」と私が聞く、

「今年で22だ。」と松田さんは答えた。

ということはやっぱり、コナンの原作が始まる前に飛ばされたのか。

だから、松田さんは生きてるんだ。松田さんの今の年齢からして、

多分…原作の7年前に飛ばされたのかな。原作の7年前なら、

松田さんの親友の萩原さんが殉職してしまう事件があったな。

今は5月くらいだろうから、11月7日までまだ時間はある。

どうやってでも、萩原さんを助けないと。

「ありがとうございました。松田さん。」と私はお礼を言って、

「松田さんとまた会えるのを楽しみにしています。もちろん事件以外で」

私はそう言った。

「ああ。そうだな。」と松田さんも笑ってくれた。

わたしは松田さんに手を振ると、病室に戻った。

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