行かないで… ページ3
わたしがはじかれたように顔を上げると、
ストレッチャーに乗せられた、雪見が運ばれていった。
わたしがその後を追いかけようとすると、お医者さんに声をかけられた。
「白石さんの、ご友人の方ですね。手術は成功しました。」
そう言った、お医者さんの言葉にわたしは安堵した。
わたしはこの時、お医者さんの表情を見ていなくて、
次の言葉に目の前が真っ暗になった。
「手術は成功しましたが、意識不明のままです。
頭部を打っているようなので、意識障害を起こす可能性もあります。
そうなったら、誠に言いにくいことですが…一生目を覚まさないまま、
亡くなってしまうことも、あるでしょう。あくまで最悪の場合ですが…」
一生目を覚まさないのなら、それは生きていると言えるのだろうか。
わたしはその場で倒れた。
『あかり。ごめんね。ママ、行かなきゃいけないみたい。』
『行かないで!!ママ。』
わたしは小さい頃の自分を見た。最初にいなくなってしまったのは、
わたしの実のお母さんだった。
お父さんに、おじいちゃんも、いなくなってしまった。
そして、雪見までもが…。
『黒石さん。辛いことや、悲しいことがあったら、
私が聞くから、無理しないでね。私はあなたの側にいるから。』
側にいるって言ったよね…?
神様、お願いです。どうか、どうか雪見だけは、連れて行かないで。
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しらす。(プロフ) - りんごさん» そんなことを言っていただけて、とても嬉しいです!頑張ります!! (2017年11月28日 15時) (レス) id: d770bdf746 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - 松田さん大好きです!!この小説、とっても楽しいです♪更新、待ってますね! (2017年11月25日 19時) (レス) id: 571647a044 (このIDを非表示/違反報告)
しらす。(プロフ) - 神谷さん» そんなことを言っていただけて、とてもありがたいです。更新は少し遅くなりますが、これからも頑張ります!! (2017年8月16日 9時) (レス) id: d770bdf746 (このIDを非表示/違反報告)
神谷 - 自分のペースで大丈夫です! この作品を作ってくださって・この作品と出会えてとても嬉しいです。がんばれー(笑) (2017年8月15日 15時) (レス) id: d28aadfc84 (このIDを非表示/違反報告)
しらす。(プロフ) - moonさん» 読んでくださってありがとうございます。頑張ります。 (2017年7月23日 23時) (レス) id: d770bdf746 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しらす。 | 作成日時:2017年6月16日 21時