検索窓
今日:13 hit、昨日:6 hit、合計:51,288 hit

第16話 面食い女と植木さん。 ページ18

ーーカランコロン

目的の店のドアをそっと引くと、心地よい鈴の音が響いた。

「いらっしゃいませ!」

それに気付いた女性店員さんは笑って迎えてくれた。
良い雰囲気の店だな。
私はカウンター席に腰掛ける。

お客さんは何人か居るが、皆さんそれぞれの時間を楽しんでいるようだ。
そうして、こうしたゆったりとした雰囲気が生まれる。


「何にされますか?」
笑顔の素敵な美人店員さんはそう訊いた。

「えーっと、ハムサンドってあります?」

私が訊くと、美人店員さんは少し慌てたような顔になる。

「すみません! ハムサンド、私、作れなくて……。いつも作ってくださる方は、今日居ないんです…」
「あ、そうなんですね、全然謝らないでください、居ないのはしょうがないですから…」

うんうん。しょうがないしょうがない。
つか、この人、めちゃ美人だし。可愛いし、性格良いし、わかんないけど良さそうだし。
完璧だな。

「ねぇねぇ、」

子供の声が聞こえたので、聞こえた方に目を向ける。
そこには小さな少年がいた。

「それならさ、カラスミパスタにしたら?」
メニューの話だろうか。
「カラスミパスタ?」

聞くとカラスミパスタ、とやらはこの笑顔が素敵な美人店員さんさんの得意なメニューらしい。
ここで注文されるカラスミパスタは全て、この人が作ってくれているみたいだ。

「あ、じゃあそれにします」
「カラスミパスタですね! 了解です!」

いやー、めっちゃ可愛いやん。
私はあの笑顔に惚れた。

「ところで少年、ありがとな」
「んーん! 困ってるみたいだったからね!」

いやー、可愛いな。
メガネ少年。イケメンやん。バリッバリのショタやん。
誘拐したくなっちゃう、(アウト)

「少年の名前を教えてくれたまえ」
「えっ、えーっと、山田五郎だよ! よ、宜しく!」

少年は視線を泳がせながらそう答える。
山田五郎……?
名前と顔が合ってねぇな。

「お姉さんは?」
「植木鉢子よ 、宜しくー」

植木鉢子。
センスあるだろ。
全国の植木さん。すまんな。

第17話 面食い女と嘘つき少年と鉢子さん。→←第15話 面食い女、腹が減る。



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (48 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
133人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - コメントありがとうござます!! そう言ってもらえると嬉しいです 、! 亀更新になるとは思いますが頑張ります 、!! (2021年1月2日 13時) (レス) id: 041feb3e74 (このIDを非表示/違反報告)
アイスある - 面白い!!更新待ってます! (2021年1月1日 18時) (レス) id: 38b2fa8d4e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年12月21日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。