- special story - chocolate 2 - お知らせ(New!) ページ50
'
しげおかは本当にものの2,3分で話を終わらせて、
こちらに走って来た。
「A!かえろ?」
未沙は呆れたような苦笑いで、「お先でーす」と帰っていった。
...見放しやがって。
しげおかはいっぱい喋りかけてくるけど、
さっき見ていた光景への嫉妬がぶり返して来て、
まともに顔が見れない。
こんなに楽しませてくれるのに。
バレンタイン、なのに。
わたしのおかしい様子に気づいたのか、
しげおかがわたしの顔を覗き込んでくる。
「...なんか、怒っとる?」
「別に」
「いやそれ完璧怒っとるやろ」
「ちがう!」
ああもうここでなんで素直になれないの、
わたしのバカ。
怪訝な顔で向き直ったしげおかに箱を突き出した。
「...これ、バレンタインだから」
受け取ったしげおかの顔がみるみるほころんでいく。
「...ありがとっ!!」
「そんな喜ばなくでも」
「Aから貰えたんやで!?嬉しいに決まっとるやん」
この人たらし。
そんなこと恥ずかしげもなくさらっと言って。
顔に血がのぼるから、慌てて横を向いた。
「...しげおか、いっぱい貰ってるじゃん」
見てたんだからね。誤魔化せないからね。
「え?俺Aの以外貰ってへんで?」
「...え!?」
「全部断った」
「...なんでよ」
「彼女おって、その人から貰うからって」
嬉しかった。
他の人のも、別に私のを貰ってくれれば貰ってよかったのに。
そういうと、ぱくりと一つ、
トリュフチョコを口に放り込んだしげおか。
そのまま唇に触れた。
「っちょ、!?」
終わってから睨みつける。
ここ路上!誰に見られてるかも分からないのに!
口の中甘っ。
しげおかは悪びれる様子もなく言い放つ。
「Aとやないと、こんなことできひんやん」
嬉しかったなんて、絶対に言ってやらないんだから。
fin.
.
続編ができました
つめたいフリの本心は [赤]
ぜひどうぞ!
ましろ
.
この小説の続きへ→←- special story - chocolate 1 -
4092人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
抹茶ラテ(プロフ) - もうほんっと甘酸っぱすぎでキュンキュン通り越してギュンッギュンしました!!こんな素敵な作品をありがとうございました! (2019年8月14日 0時) (レス) id: f561c365ea (このIDを非表示/違反報告)
アップルパイ - 不器用だけど、とっても優しい重岡くんにキュンキュンしました!これからもfight! (2019年3月25日 14時) (レス) id: 21ade4ea86 (このIDを非表示/違反報告)
れんこ - 感動して目頭が熱くなりました、、 (2018年4月10日 21時) (レス) id: 3120da164d (このIDを非表示/違反報告)
TTR(プロフ) - とても面白かったです!感動しました!これからも頑張ってください! (2018年3月4日 12時) (レス) id: 7ecb9e6c11 (このIDを非表示/違反報告)
りんか(プロフ) - すっっごい感動しました! 涙が止まりません笑 楽しませていただき、ありがとうございました♪ (2018年2月16日 16時) (レス) id: a0bd5d5d2f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ましろ | 作成日時:2016年12月15日 16時