#36 ページ36
.
揺さぶられて目が覚めた。
気づいて飛び起きて安全距離まで離れる。
...寝て好きな人の肩にもたれかかるとか、
なにやってんだ私。なんか腹黒い女みたい。
私がはずかしくていたたまれなくて喋れないのを察したのか、
しげおかが珍しく喋りかけてくれる。
「もうすぐ、つくって」
「...うん、ありがと、ごめん」
「なんか、寝言言うとったで」
「嘘ッ!?」
「嘘」
「もう、変なこと言わないでよ!」
ぱっかーんと口を開いて、
イケメンなのに残念な寝顔を晒している小瀧を眺めながら思う。
今わたし、しげおかと普通に会話、してた。
笑ってたよね。
あのにかっ、ていう、えくぼが出来る笑顔をわたしに向けるのは珍しくて、
それを見た私の心拍数は急上昇。
肩が触れそうで触れない距離にいるしげおかに、
バレていないか心配になるほど。
...あーもう、考えるのやめよう。
桐山先輩が立ってマイクを取る。
「もう着くでー!!荷物まとめてな!」
「忘れ物厳禁やで」
バスを降りるとそこには、
海。ただ、海があった。
暑いのも忘れて、みんな海を見つめる。
「...海やああぁぁぁ!!」
最初に叫びだしたのは小瀧。
私もなぜだか叫んだ。
隣のしげおかも、呆れた笑いを浮かべながら叫んでいる。
暑さ、海、隣には好きな人。
最高の夏だ。
.
4093人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
抹茶ラテ(プロフ) - もうほんっと甘酸っぱすぎでキュンキュン通り越してギュンッギュンしました!!こんな素敵な作品をありがとうございました! (2019年8月14日 0時) (レス) id: f561c365ea (このIDを非表示/違反報告)
アップルパイ - 不器用だけど、とっても優しい重岡くんにキュンキュンしました!これからもfight! (2019年3月25日 14時) (レス) id: 21ade4ea86 (このIDを非表示/違反報告)
れんこ - 感動して目頭が熱くなりました、、 (2018年4月10日 21時) (レス) id: 3120da164d (このIDを非表示/違反報告)
TTR(プロフ) - とても面白かったです!感動しました!これからも頑張ってください! (2018年3月4日 12時) (レス) id: 7ecb9e6c11 (このIDを非表示/違反報告)
りんか(プロフ) - すっっごい感動しました! 涙が止まりません笑 楽しませていただき、ありがとうございました♪ (2018年2月16日 16時) (レス) id: a0bd5d5d2f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ましろ | 作成日時:2016年12月15日 16時