つめたいフリの裏側は [赤]

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午後の競技が始まった。
















私は体育祭委員の席に座っているから、



みんなとは別の席。












そろそろ綱引きの子たち集めて、最終確認かな。



しげおかを呼びに行こう、と立ち上がると、



また軽い眩暈。



思わず、また椅子に座り込む。













すると、隣に座っていた未沙に気づかれてしまった。











「大丈夫？」


「うん、ちょっとくらっと来ただけ」


「A、今日なんか元気なくない？」












さすがは未沙だ。



付き合いが長いだけあって、気づかれてしまった。



でも、ごまかすしかない。












「ううん、いつも通りだよ」



「綱引き、行ってくるね」



半ば強引に席を立った。













今までの競技で私たち高2はかなりいい成績を残している。



このままいって綱引きで勝てれば、



優勝は確実だ。










...がんばらなきゃ。













集合場所で、みんなに声をかける。










「練習の成果、出し切りましょう」


「絶対勝つぞー！」














みんなの気合いをいれた叫び声が空に消えていく。



全員とハイタッチする。












最後にハイタッチしたのはしげおかで、



珍しく、思い切りばちり、と目が合う。



そしてさらに珍しく、しげおかが私に向かって、



笑った。














なんで、なんで、今。



今、笑ったよね？



その笑顔を見た瞬間、熱のせいだけじゃなくて、



確実に体温が上がった。










ぜったいに、勝ってやる。











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