僕は普通になれなかった。 ページ1
僕は何処にでもある、普通の家で産まれた。
何の異常も事故も無く、正常に産まれた普通の子。
そうだと思っていた。
小さい頃、僕は窓から見える夜の景色が好きだった。
星が輝いて、月明りが僕の部屋を照らす。
そんな僕は、ある夢があった。
「ピーターパンに会って、ネバーランドに行ってみたい。」
あの夢のような世界に行きたい。
お母さんにピーター・パンを読んでもらってから、ずっと思っていた。
"本当の年齢"が6歳だったある日、僕の願いが叶った。
いつも通り、窓で星を眺めていた。
すると、1つ異常に動く光があった。
よく見てみると、それは光なんかじゃなかった。
あれは確かに、
人の形
をしていた。
するとその人は僕のほうに真っ直ぐ飛んできた。
段々と見えてくる、人の姿。
それは、
ピーターパンそっくりだった。
?「ようこそ、ネバーランドへ。」
ピーターパンに似た人は僕にそう言い残すと、霧のように消えてしまった。
「ピーターパンに会えた。」
僕は飛び上がるほど喜んだ。
普通ならこんなことありえない。
でも、6歳だった僕は、そんなことは考えられなかった。
あの夜、
ピーターパンのあの言葉。
「ようこそ、ネバーランドへ。」
僕はその言葉の通り、ネバーランドという地獄に足を踏み入れてしまったのかもしれない。
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