小悪魔か、お姫サマ。 ページ7
今日も今日とて、俺の住んでいる家の一角である部屋で、ごろごろと漫画やら、アニメやらを観ているA。
こんな生活はもうすぐ1年、付き合い始めた頃のような緊張感はないものの、この空気感はすごく好きだったりする。
俺は愛しのAを養っていくためにも、きちんとした就職活動をし、職につくことができた、愛の力って怖い。
しかし、仕事は楽ではなく、残業は少ないにしても、帰宅後にデスクワークが残っていることも多い。
今日も、片付けなくてはいけない書類があり、せっせと働いていた。
Aは、そんな俺にわがままも言わず、俺のベッドに寝転がって雑誌を読んでいる。
ーいや、ベッドって、誘ってるのか？
なんてばかなことを考えるものの、俺はもうチェリーボーイではないし、Aから誘うなんてことは今まで1度もない。
ーAは、俺といれればいいとか可愛いこと思ってるんだろうな。
男と女で、考え方も違うのかもしれない。
だからこそ俺は、ちゃっとこの仕事を片付けて、Aと健全に、じゃれあうつもりだ。
俺の仕事はぐんぐん進み、ついに終わりの時を迎えた。
「終わったー！」
思いっきり伸びをすると、待ってました！とでも言うように、俺をみて目を輝かせるA。
ー半日も暇だったろうに、邪魔せず待ってるなんて、俺の彼女、まじ女神すぎる。
なんたまた頭の悪いことを考えながら、Aの転がるベッドに座り込んだ。
そしてそのままAにぎゅう、と抱きついた。
「はあ、まじ天国…。」
すると、Aは、そんな俺に更に抱きついてきた。
いつもなら変態！と剥がされるのに、ありえない光景に、俺は死ぬほどどきっとしながらまたふざけたことを言った。
「なに、A、今日はあまえたなの？」
しかしAは流石にさみしかったのか、離れそうになく、俺のほっぺを触ったり、髪を触ったり、好き放題している。
AのほっぺにキスをするとAは俺を見つめてきた。
ーおいおい、なんだよこれ…。
「あのーAさん？今のうちに抵抗してくんないと、俺、やばいよ？」
俺は崩れかけの理性で、Aに警告した、のに。
Aはぎゅっとさらに抱きしめると、手で耳を覆って、ささやいた。
ーすきにして、いいよ。
耳に暖かい息があたると共に、全身にぞわっとした感覚が走った。
俺は本能のままに真っ赤な顔のAの手を掴みベッドに押し倒すと、情けなく、顔を真っ赤にしながらつぶやいた。
ーこの、小悪魔め…。
今日のおはようは？
「…おはよ、お前、猫みたいに寝るんだな」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：沢井 | 作成日時：2018年1月2日 15時
