revive3 ページ23
ドキッとしたのは、ほのかに香る煙草の匂い。
ここ数日夢の中で感じた煙草の匂いって――もしかして、夢じゃなかったってこと?
「あなたを惑わせたくなかったし、眠りを妨げたくなくてなんの痕跡も残さなかったのに――。
こうした方が良かった?」
先輩は言うと唐突に私の首筋にキスをし、チクっとした甘い痛みを残して顔を上げる。
――これって、キスマークでは……!
鏡がないので、確かめることはできないけれど私は慌ててシャツのボタンを上までとめる。
「――しなくていいから。
あのね、メモとかメッセージとか、そういう……」
「なるほど」
そんな方法初めて知った、みたいな顔をするのやめてほしい。
絶対に嘘だよね?
でも、確かに私がそんなに会いたいなんて思うほど好きだってことは、一度も伝えてなかった――。
私は彼の手を掴んで抱き着いた。
「会いたかったし淋しかったしもう二度と会えないかと思った――」
たった5日だなんて思えないくらい、私にとっては長かった。
「そんなに淋しかったならいつでも連絡をくれればよかったのに」
「だって――」
「次はいつでも電話して? あいにく、君の淋しさが瞬時に伝わるほどの能力は持ち合わせていないので」
いい子だから、と、彼は私の髪の毛を撫でると甘く痺れるような深いキスをくれた。
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作者名:まつり | 作成日時:2022年6月16日 15時