Backstage3 ページ3
昴さんは、私と蘭さん、コナン君を乗せて愛車SUBARU360を走らせる。
コナン君は心底悔しいのか言葉を一言も発しなかった。
その姿は落ち込んでいるようにも、闘志を燃やしているようにも見える。
でも、いくらキッドキラーと呼ばれているって言ったって小学校1年生なんだし、そんなに気にする必要ないよ?
と、私は思うがバックミラーから確認できる、彼の落ち込んでいる姿に向けてかける言葉が見つからない。
「新一、本当あっという間にいなくなっちゃったな―。
やっぱり怪盗キッドだったのかも」
はぁ、とため息をついて一人ごとをいう蘭さんに声をかけることができる人は誰もいない。
夜の街はスムーズに車が流れていく。
しばらくたった後、蘭さんは気持ちを切り替えたのか、にこやかに私に話しかけてくれた。
「そういえば、Aさんって今日コナン君たちとバーベキューしたってききました!
良かったら今度、私とも食事に行きませんか?
もっとお話ししてみたくって」
「ええ、ぜひ!」
社交辞令なのか、そうでないのかはわからないけれど、こんな風に誰かに誘われた経験がほとんどない私はすごく嬉しかった。
喫茶ポアロの2階が父親の探偵事務所、3階が自宅だという二人を見送った。
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作者名:まつり | 作成日時:2022年5月25日 13時