目が覚めたら私の恋人は赤井秀一でした2【名探偵コナン】 (ページ49)

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Show Time7―third person― ページ49

「容赦ないねぇ……」

キッドは空を悠々と飛びながらため息交じりにつぶやいた。
あれほど、殺意なく緊張感もなく、まるで日常業務の一環みたいな涼しい顔で何の気なしに引き金に手をかける人間をキッドは知らない。

「人に銃を向ける時はそれなりの敵意や殺意緊張感をもって挑むものだっつーの」

あるいは、これまでそういう修羅場を潜り抜けてきたという殺気を少なからず放っているものだ。

キッドはいっそうのこと自分の立場は棚に上げて、あの眼鏡をかけて飄々としている好青年風の沖矢昴って男に、説教してやりたい気分になっている。

相手に殺意があれば一瞬で相手の存在に気づくことができるという自信があった。

実際、警察官はコナンなんかは、キッドに対する敵対心がむき出しなので、どこにいるのか一瞬で把握可能だ。

しかし、沖矢昴は別だ。
正直に言えば、美術館の廊下に入ってきたことさえすぐには気づかなかった。

今だって、ライフルからまっすぐに胸に放たれる赤い光に気づかなければ、ここで命を落としていたかと思うとぞっとする。

もっとも、どうやら沖矢昴の腕は一流だ。だから、胸には盗んだばかりのビッグジュエルであるダイヤモンドが入れてあるから、おそらく撃たれたところで自分の命は守られるとは思うけれども。

それでも、世間を騒がす大怪盗、キッドの名を受け継いだものとしては、痛いのもかっこ悪いのもなるべく避けたいところではある。