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Happy Days20 ページ49

私は冷たいバニラソフトクリームを食べながら、

「I forgot something,too.(私も忘れてた)Do you know him,don't you?(彼のこと知ってるんだよね?)」また次の煙草を取り出そうとするシュウを遮って、カバンから冊子を出して平野課長の写真を見せる。まあ、せっかく辿り着いた情報だし。

シュウはそれを手に取り、写真を見ると口元を緩ませた。

「Bingo!よくあれだけで辿り着いたな」さすが俺の彼女だなと頭を撫でてくれるけど、――違うよ?私がどれほど悩んだと思ってんの! 次からメモは見ずに捨てるから!

「そんなわけないでしょ?私は探偵じゃないんだから」

「もしかして、これって君があの夜言ってた失恋相手……?ターゲットはAなのか?」

酷く心配そうな顔をされた。
それはきっと、最初にバーで会ったときの話。

「え? 私あの日上司の名前まで口にしてたの?」まったく記憶にない。初対面の見知らぬ相手に対して喋りすぎた。

「ああ。ウイスキーの飲みすぎには注意した方がいい。俺が傍に居る時はその限りではないがな」とシュウは言って冊子を返してくれた。眉間に皺が寄っている。

「これ、得意先とかの社外にも出回っている資料だから、シュウが持っていてもいいよ?……言っておくけど、本当に何もなかったよ? 最初のデートをぶっちぎってあのバーに行ったんだから」

「君の過去をとやかくいう権利は俺にはないが――それは良かった」シュウは手を伸ばすと、とても大切なものに触れるようにそっと私の頬を撫でるから胸がきゅんと高鳴った。

「ターゲットは私じゃなくて田中さんだったんだと思う。今朝あった受付の子。まあ、状況証拠レベルだけど――本人から直接話聞く?」

「俺には日本での捜査権がないからな――。中途半端に話を聞いて彼女が何度も話すことになったら気の毒だ。俺から降谷君に伝えておく。もう君はこのことを忘れていい。

 名探偵に敬意を表して、今日は好きなものを食べていい、何がいい?」

別にそんな理由がなくたっていつも好きなもの食べさせてくれるくせに。

「牛肉。ステーキでも焼肉でも。シュウが食べられる方で――でも、もうキスの時にあんなメモ要らないよ?」私に謎解きは荷が重い。

シュウは破顔すると、公園のベンチで当たり前みたいに私を抱き寄せて唇を重ねた。

「――違っ――どこでも急にキスしていいって意味じゃなくてっ」


どうして、推理力はあるのに理解力はないのか――。いや、きっとわざと、だよね?

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まつり(プロフ) - さいさん» ありがとうございます!嬉しいです。 (6月4日 17時) (レス) id: 6a01f04095 (このIDを非表示/違反報告)
さい - めちゃくちゃおもしろいです!シリーズの最初から一気に読んじゃいました!この作品大好きです! (6月4日 17時) (レス) id: abd64666f3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まつり | 作成日時:2022年9月12日 15時

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