ヘッドハンティング19 ページ47
後、ものすごく目を引くルックスで喧嘩しあうのも辞めて欲しい。
わかってる?自分たちは生まれたときからその顔だから見慣れているかもしれないけど、ちょっと異次元の見た目とスタイルの良さだよ?
さっきまで私のことをあんなに気にかけてくれてたんだから、ここは、私が毎日通う会社だってこと少しは考慮して? 明日からも通うんですけど。
好奇の視線を避けるように速足で廊下を抜け、階下に向かうエレベータのボタンを押した。
どうして他の人は同じエレベータに乗ってきてくれないのか。
うん、なんとなく気持ちはわかる。
「とにかく、Aさんはこれに懲りずに次も困ったらすぐに連絡して。わかった? どんな些細なことでも」
安室さんはそう言うが、いや、もう、ものすごく懲りました。話が大きくなりすぎるので、この人たちには二度と相談を持ち掛けたくない――。
でも、そうも言えないので「はい」と頷く。
「――でも、どうして?
どうして私のためにそこまでしてくれるの?」
2人とも、家族でも彼氏でもなんでもない。
安室さんと赤井さんはそれぞれに、口を閉じた。二人が何か言いたげに視線を絡ませたとき、エレベータは丁度1階について扉が開く。
「こんなに可愛い子が困っていたら放っておけない、それだけのことだ」赤井さんはエレベータを降り、くしゃりと私の頭を撫でてそう言った。
安室さんは私の耳元に唇を寄せると「あなたの生活力が僕の合格ラインに達したら教えてあげる」と囁いた。
その後、普通の声で「斎藤長官には僕から伝えておくから心配ない。本当に良かった。よく頑張ったね、お疲れ様」とねぎらいの言葉をかけて、受付近くで待っていた風見さんとともに会社から出て行った。
ぺこりと頭を下げて見送る田中さんの目は完全にハートマークだ。
ああ、これはもう、絶対に教えてくれるつもりがないに違いない。
だって、安室さんの合格基準は私にとって高すぎる、多分一生頑張っても無理。
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まつり(プロフ) - タタリさん» タタリさん、ありがとうございます。 (1月26日 8時) (レス) id: 91a8359b9e (このIDを非表示/違反報告)
タタリ(プロフ) - 面白いです!赤井さん降谷さんコンビ最高! (1月25日 23時) (レス) @page22 id: 3b67077e0b (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - ハロさん» ご指摘ありがとうございます。ここでは代理できており、時間がないため説明の手間を省こうと偽っている設定です。本編に説明文を加えておきますね。 (5月18日 17時) (レス) id: 40409137ce (このIDを非表示/違反報告)
ハロ - 風見は警察庁では無く警視庁ですよ (5月18日 16時) (レス) id: 39e5bd607a (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - ゆーちゃんさん» 嬉しいです。ありがとうございます! (2023年3月2日 16時) (レス) id: 40409137ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まつり | 作成日時:2022年9月1日 8時