溺愛禁止！1【赤井秀一】【安室透】

ハッキング犯1 ページ17

ほんっと、今日はどうして一日中会社のサーバが攻撃を受けているんだろう……

昼は止まっていたサーバ攻撃が、私が会社に戻るとしばらくしてまた始まった。

全然仕事にならないんだけど。

パニクっていた午後3時、受付から連絡が入った。

「蘇芳主任にお客様です――」

「来客予定なんてないけど？ 今日、ちょっと立て込んでいるので……。まさか、また赤井さん？」

15時のティータイムとか言い出してるわけじゃないよね？ 大丈夫？

「いえ、蘇芳主任にお弁当を届けてくれた金髪のイケメンーーわぁっ、ちょっと？」

がちゃがちゃと耳障りな音がした後

「Aさん、どうして赤井なんかと会っているんだ？」

と、内線の向こうから、我が家の隣人こと、安室さんの声が響いてきた――


ちょっと、安室透を演じる時の丁寧な口調が崩れて、本来の降谷零になっているけど大丈夫？


「安室君、久しぶりだな」

電話の向こうで、赤井さんの声まで聞こえてきた。

「――赤井秀一――！」もはや、安室さんの口調ではない。ねえ、降谷さん、本当に大丈夫？落ち着いて？




っていうか、お二人は知り合いだったのね……



私は無意識のうちに深いため息をついていた。





「主任……今、サーバ攻撃止んでいません？ そういえば、お昼もきっかり1時間サーバ攻撃止んでましたよねー……」

隣で後輩がぽつりとつぶやいた。



……うん、私は今なんとなく犯人が分かった気がするよ。



「すぐに降りるから待っていてください！」


フロア中の人が振り向くレベルの大声を出していたようだ。
私は慌てて内線を置いて、受付に向かった。

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