test of courage8―〇〇side― ページ3
瞬時に、スマホをスピーカーモードに切り替えた。
「僕だ、どうした。沖矢?」
なるほど、仕事用のスマホに対し『安室』あてにかけてくる人間は、現在沖矢しかいないということか。
「少年探偵団の子供の一人が人質に取られました。〇〇ビルに江戸川Aを連れて来いと言われています。
顔を見たという別の子の証言によれば、そちらの裏切り者候補の中に犯人はいません。
もちろん、テロリストの家族でもない。
東都大学テロの日は公安だけでなく警察の応援があったのであれば、裏切り者は公安でなく警察の方にいる可能性も考慮した方がよいでしょう。
相手は女性、おそらくは幼い女の子がいて人質に取られているはずです。
行きがかり上、現在宮本由美に事情を話してしまったものの、他の警察の応援要請は極力避けたいところです。しかし、目暮警部あたりへの連絡は終わっていると思われますが……。
それを押してでも、そちら(公安)から信頼できる人を出してもらうことは可能でしょうか」
降谷さんはふらつく身体を無理やり起こし、話を聞きながら手早くシャツを着てスーツを身に纏い、病室を抜け出す。
後を追う意外に選択肢がないのがもどかしかった。自分が代わりに指揮を取れれば、こんなに無理をさせなくてすむのに――。
「応援要請の件、了解した。警視庁にはこちらから連絡する。そして、現場には僕も向かおう。
犯人をそこまで絞り込んだ理由は何だ」
「子供からの証言ですよ。
見た目も声も女性で大柄だったと言っています。
しかも、三人で遊んでいた子供の中で、一番体格の大きな元太君がさらわれた。
あえて、小さい子供を選ばなかったのは、親心からきたものだと判断しました。
おそらく、子供には危害を加えないでしょう。
警察でありながら、ここまで倫理観が歪んだ行動に出たのは、自分の身にも危険が及んでいる証拠かと」
言いながら、降谷さんがRX-7に乗り込む様子は、とても先ほどまで気絶していたようにはみえなかった。
「なるほどな。すぐに候補を見繕ってそちらのPCに顔写真を送ろう。
これからすぐに、僕も現場に向かう。待てるなら待ってほしい。
――くれぐれも彼女を頼んだぞ」
降谷さんの運転するRX-7の助手席へと乗り込み、手元の端末で今の条件に合いそうな人物を検索を開始した。同時に、降谷さんとともに信頼できる人物を見繕い、事態を知らせるための電話をかける。
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まつり(プロフ) - わたしさん» そんなに読んでもらってるなんて嬉しすぎます!こちらこそ、読んでいただいてありがとうございますー! (12月31日 21時) (レス) id: 91a8359b9e (このIDを非表示/違反報告)
わたし(プロフ) - 本っ当に大好きで読むのも二三回目です。展開わかっていてもキュンキュンするし、まつりさんのかく沖矢昴が本当にかっこよくて理想すぎてだいすきです。なんでも出来てスマートに手を引いてくれる感じが堪らなくすきです、書いてくれてありがとうございます(;_;) (12月29日 4時) (レス) @page41 id: 2b3cd5dcd8 (このIDを非表示/違反報告)
かるぴん(プロフ) - 面白くて一気に読みました!!安室さん編があるの嬉しすぎます!! (5月12日 5時) (レス) @page41 id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - チミさん» わあ、嬉しいコメントありがとうございます!こちらこそ、そんなに楽しんでいただけて幸せです。ありがとうございました。またの機会がありましたら、よろしくお願いします。 (2022年8月20日 21時) (レス) id: 6a01f04095 (このIDを非表示/違反報告)
チミ(プロフ) - この作品本当に本当に大好きで、毎回更新が本当に本当に楽しみで、なんと言ったらいいのか、とにかく大好きなんです!!出会えて最高でした〜〜!!素敵な作品ありがとうございます!!!!!!!! (2022年8月20日 20時) (レス) @page34 id: 5432b7d0cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まつり | 作成日時:2022年8月17日 9時