test of courage3 ページ48
「J、今日は私に手伝えることはない?」
「嬉しいことを言ってくれるね、Lady。昨日であらかたやりたいことは終わったから大丈夫。
連日君を連れまわしたら、シュウに怒られる」
「シュウ、怒らないよね?」
「当然。俺がAに対して怒ることはない」
当たり前だろうと付け加えられた。Jに視線を投げると、ほらね、と苦笑を浮かべる。
「『Ladyに対しては決して怒らない』んだよ、彼」
後は察してくれと言わんばかりにJは肩をすくめる。
「でも、日本の滞在時間短いんでしょ? 時間もったいないし、役に立てることがあるなら手伝うよ。大学が休みなのもあとちょっとだから」と言えば、
「わかった。じゃあ何かあったときは君に依頼するから、シュウを説得してね」と笑った。
しばらくの後、秀一さんは、「待たせて悪かった」と、昨日買ったパンケーキにアングレーズソースをかけ、フルーツを乗せて持ってきてくれた。
お酒が好きだからカクテルが作れるのはなんとなく納得いったけれど、スイーツに興味ないはずなのにこんなにオシャレにデコれるの、すごいよね。
テレビで一度見たきりだと思うんだけど。器用な上に再現力がやたら高い。
っていうか、あれなの? ひょっとしてろくに寝てなかった理由は昨夜、このバニラビーンズの薫り高いアングレーズソースを仕込んでいたから、だったりする?
「すごーい!可愛い。テレビで見たのよりずっと美味しそう!」
しかも、きっとこのソースはイギリス仕込みのレシピに違いない。
「ね、もしかしてこのソースを仕込んだから寝てないって……わけじゃないよね?」
喜びながらも心配に思いそう聞いた私の頭をくしゃりと撫でて微笑み
「君が喜ぶ顔が見られるなら、何でもする」と言った。
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作者名:まつり | 作成日時:2022年8月1日 15時