ボディガードは不要です5【沖矢昴】【安室透】

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安室さんって、つまりいったい、何の人なんだろう――。


私の頭には再び疑問が蘇る。米花百貨店での昴さんみたいに秘密裏に――というわけでもなく、堂々と拳銃を所持していたところを見ると、警察とか公安とか――そういうところに所属しているってことでファイナルアンサーなんだろうか。


そのうえで、ポアロでも仕事をしているの？それともあれは、ドラマや映画でよく見る「潜入捜査」だったりするんだろうか。


ポアロには何か、重大な秘密があったりするんだろうか。何かの裏取引に利用されていたりする？ 普通に美味しい料理を出してくれる喫茶店だと思ってたんだけどな。



――でも、もしも安室さんが警察とか公安だった場合、どんな理由か知らないけれど日本に来ている『FBIの赤井さん』(※ただし現在偽装死中)は、それを知っていてもおかしくないよね？

だって、FBIって日本で言う警視庁みたいなものって、ジョディさんが言ってたし。
いやでも、警察や公安にも大勢の人がいるんだから、昨日までは知らなかったって可能性もある。


でも、私の後ろにいた犯人を狙撃したのが昴さんというのなら――(おそらく、教育学部棟の屋上からだ)――、その時には確実に安室さんの姿も見えたはず。

だとしたら、仮に昨日までは知らなかったとしても今は安室さんが何者なのかおおよその見当はついているはずだよね？



だけど、安室さんの正体を昴さん経由で知るのはなんか良くない気がする。考えすぎかな――。


それとも、やっぱり、安室さんは私に何かを気付いてほしいからわざわざ『同じブランドの似たような服』を差し入れてくれたのだろうか。


もう、いっそこんな服は見なかったことにして、ここで朝まで待って自分の服が返ってくるのを待つべきなのだろうか――。昼になればお店も開くだろうから、昴さんに新しい服を調達してもらってもいいわけだし。




普通におしゃれな服なのだから、細かいことを気にせずにこれをきればいいだけなのに黙り込んでしまった私を目の前に、昴さんも何も言わない。

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