《番外編》 ページ40
エイプリルフール最終話
──
ノーマンどこだろう？
寝室にも図書室にも物置にもいない。
この時間は外には出れないから必ず家の中にいるはずなのに…。
『うーん、いないな……』
「誰が？」
『ノーマンが……ってうわぁ！？』
「あはは、驚かせてごめん。僕がどうかしたの？」
全然気付かなかった。
私の後ろにはいつからいたのか、可愛いらしく微笑むノーマンが立っている。
……え、この状況でどう騙す？
私は一度落ち着いて頭をフル回転させて考えた。
『ちょうど良かった、ノーマンに伝えておきたいことがあってさ』
「Aが僕に？」
『そう』
するとノーマンは、｢へぇ、それは楽しみだ｣と喜んだ。花が舞ってるように見える。
ごめんノーマン、私今から酷いこと言う。
『私、ノーマンのこと嫌いになっちゃったんだ。だから今後私に話しかけないでほしいなって』
「！」
ふふ、どうだ…！これは結構グサリときたんじゃないのかな…！！
そう思いわたしはノーマンの回答を楽しみに待つ。
──が。
「奇遇だね、僕もそう言おうと思ってAを探してたんだ。でも言う手間が省けて良かったよ」
『…え？』
「じゃあこれで」
『ま、待ってよ……ねぇ』
ノーマンは私に背を向け去って行く。
全然悲しそうな表情をしていなくて、逆になんだか嬉しそうに見えた。
彼の名を呼んでも振り返ってくれない。
足も止めてくれない。
『……嘘…でしょ……？』
声は震えていた。
私は｢待って！｣と言って走って、咄嗟にノーマンの背中にしがみついた。
彼の白いYシャツには私の涙が染み渡ってゆく。そっか、私は今泣いているんだ。
『ごめん……嘘吐いた…！私ノーマン好き！好きだから…許して…っ』
「……」
『ごめんなさい…だから……っ』
「顔上げて」
フワリと優しく体が包まれる。
私は頭上から聞こえる声に従って顔を上げた。
すると、白い手が私の目元の涙を優しく拭う。
「ごめん、僕も嘘吐いた。泣かせるつもりはなかったんだけど…」
『う、嘘……？』
「そう。さっきからA、フィルやレイ、ドンにも似たようなことしたでしょ？」
『はい…』
「僕、ちょっと嫉妬しちゃったんだ」
『え？』
嫉妬…？あのノーマンが？
珍しいこともあるもんだと私は呑気に考える。
ノーマンは｢だから今回はお互い様、でも…｣と言うと、私の耳元に顔を近づけてこう言った。
「今度そんな嘘を吐いたらお仕置きね」
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仙里(プロフ) - シスター・クローネが自己紹介時にシスター・クローネとなっていますよ。すごく面白いです (2020年2月23日 21時) (
レス) id: e74e5ba2d3 (このIDを非表示/違反報告)
hono - 私は最年長の三人組が推しだと思っていたのですが・・・フィルは思っていませんでしたwww確かに猫口可愛いですよね！！！ (2019年2月15日 20時) (レス) id: 03d076c9eb (このIDを非表示/違反報告)
同志スターリン - 可及的速やかにコミンテルンの創設が必要である (2019年2月11日 16時) (レス) id: b0598bc4a0 (このIDを非表示/違反報告)
ネック(プロフ) - あさん» 指摘コメントありがとうございます！女の子らしい肉体を…と思いそのような設定にしたのですが、確かに10歳の女の子、胸はまだ成長途中ですね……。早急に設定を変更させていただきます！ (2019年2月11日 10時) (レス) id: 77510b3074 (このIDを非表示/違反報告)
あ - 10歳なのに胸がそこそこって...小学生年齢に何を求めてるのでしょうか。少しその設定が引っ掛かりましたので今回は少し低めの評価を押させて頂きました。これからも頑張ってください。 (2019年2月11日 9時) (レス) id: 23fc808fab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ネック | 作成日時：2019年1月26日 0時
