秘密の部屋とW・ミネルヴァ【２】 ページ32
「内情で大人の隙さえ突くことができれば……ぶっちゃけ塀は超えられる。でも、超えるだけじゃダメだ。その先がある」
『次は逃げ道の｢下見｣だね』
皆が頷く。
”追手をかわし農園から無事に離れる”
そのための下見下調べ。
逃走ルートや食料の確保をしっかり確かめないといけないのだ。
「だからその為に…昔手に入れた裏切りのご褒美」
『いたっ』
レイが双眼鏡を取り出して私の頭に当てたあと、手の上に乗せた。
「塀に上って｢外｣を見る。ママとシスターの目を盗んで無茶するならこっちだ」
「今一度塀へ！明日以降早い内に調べよう」
「うん！」
脱獄の話がどんどん進んでいっている。
でも、私はまだギルダとドンに嘘を吐いたままでいるのがモヤモヤしていた。
本当に最後までこのままなの…？
「ねぇ、出てからの話もう１個いい？」
『？』
「紹介したい人がいます！」
エマがそう言って部屋を出ると、私達をどこかへ案内し始める。
どこに向かっているのか分からず黙ってその後をついて行く。そして、その着いた場所は──。
『図書室？』
「そう！ちょっと待ってて」
「あ、ひょっとしてアレか！フクロウの……」
「そう！やっぱレイは気づいてた」
レイは知ってたがノーマンは知らなかった模様。
私はイスに座ってエマを待っていると、沢山の本を抱えたエマが目の前にドンッと本を置く。
１冊１冊が、とても分厚い本だ。
そしてエマはページを開くと、フクロウのマークを指で指して｢この人｣と言う。
……ん？あれ…これって……。
『これっ…私が４歳のとき見たやつ！』
「そうなの！？」
『うん、ウィリアム・ミネルヴァさん…』
「A誰か分かる？」
『ううん。ミネルヴァさんのことでわかるのは、この本たちの元の持ち主ってことぐらい』
エマが驚いた。
そしてこの人を知っているか聞いてくれたが、残念ながら私はそこまで詳しくなかった。
『どこにいるのか誰なのか、今生きているのかさえわからない。でも、私達の味方かもしれない人』
「どういうこと？」
「この人、本を通してあるメッセージを隠してる。それも１冊も何冊も。塀の先──｢外｣を生き抜く上でこの”ミネルヴァさん”は鍵になる。
ただ逃げるだけじゃない。見つけるんだ。
この世界で私達が生き残る方法」
私達は気づかなかった。
ここで話をしている裏で、ドンとギルダが真実を知る為に危険な行動をしていることを──。
秘密の部屋とW・ミネルヴァ【３】→←秘密の部屋とW・ミネルヴァ【１】
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仙里(プロフ) - シスター・クローネが自己紹介時にシスター・クローネとなっていますよ。すごく面白いです (2020年2月23日 21時) (
レス) id: e74e5ba2d3 (このIDを非表示/違反報告)
hono - 私は最年長の三人組が推しだと思っていたのですが・・・フィルは思っていませんでしたwww確かに猫口可愛いですよね！！！ (2019年2月15日 20時) (レス) id: 03d076c9eb (このIDを非表示/違反報告)
同志スターリン - 可及的速やかにコミンテルンの創設が必要である (2019年2月11日 16時) (レス) id: b0598bc4a0 (このIDを非表示/違反報告)
ネック(プロフ) - あさん» 指摘コメントありがとうございます！女の子らしい肉体を…と思いそのような設定にしたのですが、確かに10歳の女の子、胸はまだ成長途中ですね……。早急に設定を変更させていただきます！ (2019年2月11日 10時) (レス) id: 77510b3074 (このIDを非表示/違反報告)
あ - 10歳なのに胸がそこそこって...小学生年齢に何を求めてるのでしょうか。少しその設定が引っ掛かりましたので今回は少し低めの評価を押させて頂きました。これからも頑張ってください。 (2019年2月11日 9時) (レス) id: 23fc808fab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ネック | 作成日時：2019年1月26日 0時
