やられた！【３】 ページ11
『私にも協力させてほしいな』
「A…」
『ごめんね…！ずっと隣の部屋で話聞いてたの…どうしても気になっちゃってさ……』
なぜか悲しそうな顔をするエマとノーマン。
レイはジッとこっちを見つめてる。
もしかしたら薄々気付かれてたりするのかも。
「Aは知ってるの？ハウスのこと」
『…多分エマ達が知ってることは私も知ってるよ』
ゴクリ、と誰かが唾を飲み込む音がした。
レイがその場に座って「ちょっと話聞こう」と言ったので、私達もそこに座る。
私の心臓は最高にバクバクしてる。
「……どこまで知ってる？」
『門には鬼がいること。ハウスが壁で囲まれるていること。ママが発信機を持っていること。
……そして、私達がずっと食べられるためこのハウスで生きていること』
「なんで…なんでAはそこまで知ってるの？」
レイの次にエマが私に質問をする。
私の心拍数は相変わらず上昇し続けている。
『４歳のときに図書館である本を見て、それからハウスに違和感を持ってずっと探りをいれてたの。
ママの部屋にこっそり入って書類探して、そこで鬼がいることも出荷のことも知った。
そしたらハウスの格子窓も、この白い服も、規則正しい生活も、全部商品の品質を保つためだったんだな〜って』
「出荷順の情報とかは……？」
『６歳以降スコアの低い順に収穫してて…１２歳になったら無条件に出荷される……ッ』
そこまで言って辛くなって下を向く。
そんな私を見て皆がどう思っているかなんて知らない。こんな顔見られたくないし。
次出荷されるのがこの３人の誰かだというのが分かっているから本当に本当に辛いんだ。
…ん…あれ……？なんか背中あったかい……？
「A、大丈夫だよ。心配しないで」
『エマ……』
後ろを向くと私をギュッと抱きしめるエマがいた。
そんなことされたら泣きそうになるじゃん。
いやいや、堪えろ、堪えろ。
「私達ね、この檻からみんなで脱獄しようと思ってるの。」
『…うん』
「その為にコニーが出荷されてからずっと考えてきたんだ。まだ全然情報は足りてないんだけど」
『…うん』
「……Aに脱獄についての話をしたい。…聞いてくれる？」
『……うんっ』
そこまで言うと、エマはもっと私を強く抱きしめて、ノーマンは正面にしゃがんで私の目元に優しく手を触れる。
「話す前に涙を拭こっか。Aには涙は似合わないや」
…暖かい手、皆はちゃんと生きている。
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仙里(プロフ) - シスター・クローネが自己紹介時にシスター・クローネとなっていますよ。すごく面白いです (2020年2月23日 21時) (
レス) id: e74e5ba2d3 (このIDを非表示/違反報告)
hono - 私は最年長の三人組が推しだと思っていたのですが・・・フィルは思っていませんでしたwww確かに猫口可愛いですよね！！！ (2019年2月15日 20時) (レス) id: 03d076c9eb (このIDを非表示/違反報告)
同志スターリン - 可及的速やかにコミンテルンの創設が必要である (2019年2月11日 16時) (レス) id: b0598bc4a0 (このIDを非表示/違反報告)
ネック(プロフ) - あさん» 指摘コメントありがとうございます！女の子らしい肉体を…と思いそのような設定にしたのですが、確かに10歳の女の子、胸はまだ成長途中ですね……。早急に設定を変更させていただきます！ (2019年2月11日 10時) (レス) id: 77510b3074 (このIDを非表示/違反報告)
あ - 10歳なのに胸がそこそこって...小学生年齢に何を求めてるのでしょうか。少しその設定が引っ掛かりましたので今回は少し低めの評価を押させて頂きました。これからも頑張ってください。 (2019年2月11日 9時) (レス) id: 23fc808fab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ネック | 作成日時：2019年1月26日 0時
