GFハウス【6】 ページ7
今は夜。
部屋の真ん中には皆と違う服を着たコニー。
とてもお似合いだ。
「また僕ら先を越されちゃったね」
『うん……』
ノーマンだってもうすぐで12歳だ。
そう思ったけど今はコニーのことだけでいっぱいいっぱいで、油断するとすぐに涙が出てきそう。
「私トロいし、みんなみたいにユウシュウじゃなかったけど、大人になったらママみたいな”お母さん”になりたいんだ。
それでね、絶対子供を捨てたりしないの!」
「コニー…」
エマとフィルはぎゅーっとコニーを抱きしめた。
隙間からコニーと目が合って、今にも泣きそうな顔で笑顔を作って手を振った。
彼女も振り返してくれて目が潤んでしまう。
「元気でね____」
別れは寂しい。
ここに来てからずっと見送る側。
次は11歳のエマ達の誰かかもしれない。
「コニー!!!?」
『エマの声…?』
コニーとお別れした後、2階の掃除をしていた。
しかしすぐに1階からエマが何かに驚いたような声をあげたから、箒を動かす手を止める。
気になって様子を見ようと1階に降りてみると、既にエマがいなくて、代わりにレイがいた。
『レイ……?』
「!……Aか、どうした」
『いや…1階からエマの声が聞こえて。それで気になって来たんだけど何かあった?』
「あー……」
そう私が聞くと、レイは一度考える素振りを見せ、窓を親指で指差した。外を見ろってこと?
ソレの通り窓から外を見てみると、うっすらと何かが見える。
『もしかしてあれエマ?どうして外に…しかもどうやって……』
「ノーマンもいる。裏口から出てった」
ノーマンもか。
それなら外に出れるのも納得。
「んでコニーがリトルバーニーを忘れてったから2人が届けに行った。コニーの気持ちを考えたら送るなら早いほうがいいって」
『リトルバーニーを忘れていった…?』
「あぁ。コニーは少しフワッとしてるところあるだろ。だからきっと忘れたんだ」
レイが「もうすぐで消灯時間だ、早く寝ろ」と頭をやや強引に撫でる。
私は分かったと返事をして部屋に向かった。
…が、途中の角に身を潜めた。
いやだっておかしい。
絶対に忘れるなんてことはない。
あれは誰かが意図的に置いた…?
2人を門に行かせるために…?
でも何で……。
『…!』
裏口から扉を開ける音が聞こえる。
あ、レイとノーマンの声。
そっと姿を確認すると、そこには強張った表情をしたエマとノーマンがいた。
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仙里(プロフ) - シスター・クローネが自己紹介時にシスター・クローネとなっていますよ。すごく面白いです (2020年2月23日 21時) (レス) id: e74e5ba2d3 (このIDを非表示/違反報告)
hono - 私は最年長の三人組が推しだと思っていたのですが・・・フィルは思っていませんでしたwww確かに猫口可愛いですよね!!! (2019年2月15日 20時) (レス) id: 03d076c9eb (このIDを非表示/違反報告)
同志スターリン - 可及的速やかにコミンテルンの創設が必要である (2019年2月11日 16時) (レス) id: b0598bc4a0 (このIDを非表示/違反報告)
ネック(プロフ) - あさん» 指摘コメントありがとうございます!女の子らしい肉体を…と思いそのような設定にしたのですが、確かに10歳の女の子、胸はまだ成長途中ですね……。早急に設定を変更させていただきます! (2019年2月11日 10時) (レス) id: 77510b3074 (このIDを非表示/違反報告)
あ - 10歳なのに胸がそこそこって...小学生年齢に何を求めてるのでしょうか。少しその設定が引っ掛かりましたので今回は少し低めの評価を押させて頂きました。これからも頑張ってください。 (2019年2月11日 9時) (レス) id: 23fc808fab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ネック | 作成日時:2019年1月26日 0時