10歳の少女【約束のネバーランド】

内通者【４】 ページ27

ノーマンside



カチ カチ カチ…


寝室に時計の音と皆の寝息が聞こえる。


Aと別れた後、レイと図書室で会話をした。
結果、やっぱり内通者はレイだった。


僕はドンとギルダとレイとAの４人に嘘のロープの在り処を教えた。
A。彼女もハウスのことを知っているし頭が良いから少し疑ってしまった。後で謝らないといけないな……。


レイは僕らが僕ら自身で真実に辿り着くよう仕向けたんだ。このハウスの絶対秘密の真実に。


レイは敵じゃない。
でも味方でもない。
脱獄の準備のために自分を｢売り込んだ｣のだ。


そして、発信機を確実に無効化する方法を何年もかけて突き止めたらしい。何度か実験もしたそうだ。


そう、レイは最強のカードだ。



リトルバーニーを持っていくときに僕とエマだけを行かせたから、「Aには真実を伝える気は無かったの？」と聞いてみた。


そしたら
｢ハウスの正体を知ってそうだと前々から思ってたから、後で『脱獄に協力してくれ』って言う予定だったんだよ。その前にあっちから来たけど｣
ってことらしい。


最後にレイは
｢条件次第で完全にお前の切り札になってやってもいい。エマを騙せ。全員連れて行くフリをして土壇場で切り離すんだ。それができなけりゃエマもろともココで死ね｣と言った。



僕はそれを承諾した。



でも、エマの望みを叶えたい。
Aだって皆で逃げることを望んでいる。

それに僕だって｢全員｣を諦めたくない！！



「(……皆で脱獄に成功したらAに伝えたいこともあるしね…)」



大丈夫、僕ならできる。

僕なら──。



___
レイside


あの日決めた。
残りの命をどう使うか。

救える命は限られてる。
それがこの世の”現実”だ。

お前らの望みなんざ知ったこっちゃねぇ。

ノーマンにも、エマにも、Aにも、
死へ続く道は選ばせない！

６年かけた計画潰されてたまるか！！



Aが俺らに関わってママがAのことも本格的に怪し始めている。

俺の予定ではもっと遅くに脱獄の話をしようと思ってたのに…アイツに何かあったら……。



クソッ…俺がAを…あいつらを守ってやらねぇと。

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