内通者【2】 ページ25
「6歳以降、スコアの低い順に里子に出されている──変だろ」
「確かに、コニーのこのスコア…。ハオもセディーも…」
ノーマンが、ここ数日の間レイとエマに調べてもらったという兄弟のスコアを見せた。
私は2人がスコアを調べていたのを知らなかったので、皆の後ろで1人静かに驚く。
「お願い…信じて……。助けて…。一緒に逃げて!!」
エマがそう2人の目をしっかり見て言う。
そして、この場に留まり続けるのは怪しまれるということでそれぞれが別々に部屋を出ることに。
エマとギルダは、今日久しぶりに沢山お話しをするんだと言って笑って部屋に向かっていった。
ノーマンとレイは最後に出ると言って、私とドンを先に部屋に行かせる。
「Aはママに手伝い頼まれたあの日、もうエマ達の仲間だったのか?」
部屋に向かう途中、ドンが聞いてきた。
私は昔からこのハウスのことを知ったいたことを伏せて会話をする。
『ううん、私もあの時はギルダと同じで「エマ達最近変だな」って思ってたの。で、試しに盗み聞きしたらハウスがこんな……』
そこまで言って黙る。
人身売買なんて嘘を吐くのはバレたときのことを考えるととても言えなかった。
ドンは何を思ったのか、私の頭に手を置く。
「そっか、Aも辛かったよな」
『え…?』
「……いーや、なんでもねぇ」
あの質問の回答でなんだ急に…っと思いながらドンをジトッと見つめる。
すると「なんだ、自分じゃ分かってねぇのか」なんて言いながら苦笑する。
いやなんなんだろう、本当に。
「エマとギルダが今日話すっつってたし、俺らも今日就寝時間まで話まくろうぜ!」
『え〜私達はいつも夜話してるじゃん』
「それでもいいんだよ、お前と話せんだから!それに今ならまだノーマンもレイもいねぇしな!!」
『……そうだね、私もドンと沢山話したい』
「よっしゃ!じゃあ早く行くぞー!」
ドンが本当に嬉しそうに言うものだから、私も嬉しくなってきた。
私が笑って見せるとドンは満足そうに頷いて、私の手を引いて部屋に早歩きで向かう。
手にドンの温もりを感じている間、「そういえば私もドンもギルダも同い年だったな」なんて考えてクスッと笑う。
今回の脱獄に失敗したら、私達がエマ達の次に出荷されてしまうんだ……絶対に阻止しないと。
『(絶対に皆で逃げてやる。この地獄から)』
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仙里(プロフ) - シスター・クローネが自己紹介時にシスター・クローネとなっていますよ。すごく面白いです (2020年2月23日 21時) (レス) id: e74e5ba2d3 (このIDを非表示/違反報告)
hono - 私は最年長の三人組が推しだと思っていたのですが・・・フィルは思っていませんでしたwww確かに猫口可愛いですよね!!! (2019年2月15日 20時) (レス) id: 03d076c9eb (このIDを非表示/違反報告)
同志スターリン - 可及的速やかにコミンテルンの創設が必要である (2019年2月11日 16時) (レス) id: b0598bc4a0 (このIDを非表示/違反報告)
ネック(プロフ) - あさん» 指摘コメントありがとうございます!女の子らしい肉体を…と思いそのような設定にしたのですが、確かに10歳の女の子、胸はまだ成長途中ですね……。早急に設定を変更させていただきます! (2019年2月11日 10時) (レス) id: 77510b3074 (このIDを非表示/違反報告)
あ - 10歳なのに胸がそこそこって...小学生年齢に何を求めてるのでしょうか。少しその設定が引っ掛かりましたので今回は少し低めの評価を押させて頂きました。これからも頑張ってください。 (2019年2月11日 9時) (レス) id: 23fc808fab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ネック | 作成日時:2019年1月26日 0時