174. 才能がない人なんていない ページ34
無事に屋敷を出た私たちは、ククルーマウンテンを降りていた。
暗くて不気味な雰囲気で、何か鳥系の鳴き声とかも聞こえるけど、
夜空の星々が私たちを明るく照らしてくれていて。
ふとルティちゃんを見てみると、月明かりでキラキラと輝いて見えた。
まさに天女のように。綺麗だなー……。
……あっ、そういえば……
A「ルティちゃん、“あんぽ” ってなに？」
ルティ「あんぽ……、暗歩のことですか？ 暗歩というのは……、……簡単に言うと、音を立てずに歩く……、みたいな感じですね」
A「へぇえ〜、音を立てずに……か……。すごいね！」
キルアたちが歩いている時に音が全然聞こえないのは “あんぽ” を使ってるからなんだね。
ルティ「ゾルディック家の者になると、まず始めに叩き込まれるんですよ。……でも、意識しないとすぐに忘れちゃって。見習い執事から昇格できないんです。……才能、ないのかな」
ルティちゃんは「えへへ」と笑うと、ふっと影を落とした。
笑っているけど、やっぱりちゃんとやりたい、上手くなりたい、って思ってるんだよね。
最後の一言は小声で言っていた。私にはバッチリ聞こえているわけだけど。
……自信失いかけちゃってるのかな。才能ないわけないと思うけど。
だって忘れちゃうってだけで、できないんじゃないと思うし。意識の問題なんでしょ？
私が “あんぽ” できないから、励ますことくらいしかできないけど……。
A「……でも、すぐに出来るようになるよ！ ルティちゃん、ちゃんとやりたいって思ってるんでしょ？」
ルティ「それはそうですが……」
A「なら、自信もって！ 才能ない人なんていない。希望をなくしちゃったら前に進めなくなっちゃうよ」
根拠はないんだけど、ルティちゃんなら近い内にできるようになるって勘が言ってるもん！
女の勘ってやつだね！ 私の勘は当たるんだよー。
それに、才能がない人なんて本当にいないと思う。
はじめの内は開花しないかもしれないけど、誰だっていつかは開花する時が来るんだよ。
才能がある人は、開花するのが早いってだけ。時期の違いだけなんだよ！
それに、ルティちゃんはもう “あんぽ” できてるんだし。
ルティ「……そう、ですね。自信もちます！」
A「うんうん、そうだよ！」
私が拳にグッと力を込めて笑顔を作ると、ルティちゃんも拳にグッと力を込めていた。
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Schiff(プロフ) - チヒロさん» コメントありがとうございます！ おまたせいたしました！ (2015年10月12日 12時) (
レス) id: 5a7ea2af23 (このIDを非表示/違反報告)
チヒロ(プロフ) - 待ってます(｡+･`ω･´)ｷﾘｯ (2015年10月5日 17時) (レス) id: f0e9a1a954 (このIDを非表示/違反報告)
Schiff(プロフ) - チヒロさん» ありがとうございます！ 楽しんで頂けてるなら幸いです！ (2015年8月29日 13時) (レス) id: 70f9e0d648 (このIDを非表示/違反報告)
チヒロ(プロフ) - おもしろいですね！昨日から見させていただいてますけど、おもしろい！楽しませていただいてます！更新頑張ってください！楽しみにしてます！ (2015年8月28日 12時) (レス) id: f0e9a1a954 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Schiff | 作成日時：2015年8月23日 11時
