求めるものは

かなわない人 ページ7

ああ、歯磨きはしっかりするタイプで良かった

とかそんなことを考えていたら藤ヶ谷主任の唇は離れていった


「北山さん、俺北山さんのことが好きだよ
一目惚れなんだ
もう、ずっと北山さんに恋してるんだよ」

藤ヶ谷主任は優しい声で私に語りかけてくる

「北山さんも俺と同じ気持ちだと思ってたんだけど…
俺の自惚れかな？」

これは、いったい現実なのだろうか
思わず頬をつねるけどちゃんと痛かった

「それ、ほんとにやる人初めて見た」

「だって、信じられなくて
藤ヶ谷主任が私のこと？
藤ヶ谷主任の隣には、もっと素敵な人が似合うって
分かってるけどそんなこと言われたら期待しちゃい
ます」

「期待してほしいんだけど？
俺には北山さん以上に素敵な人なんて見つけられな
いよ
俺が北山さんといたいの、北山さんじゃないとダメ
なの」

そんなの、、そんなのって、ずるい

涙がぽろぽろ零れてその度に藤ヶ谷主任が拭ってくれる

「返事、聞かせてくれる？」

「藤ヶ谷主任のことがだいすきで…んっ」

藤ヶ谷主任はキス魔なのかもしれないなとぼんやり思った

「北山さん、改めて俺と付き合ってくれませんか？」

藤ヶ谷主任の彼女なんて夢みたいだけど、せっかくならその夢をとことん楽しみたい
いつか、飽きられてもそのときまでずっと一緒にいたい

「喜んで！」

藤ヶ谷主任に思いっきり抱きつくと、ぎゅっと抱き締め返してくる

「いっとくけど、北山さんのこと離す気ないからね」




ああ、かなわないなあ

独占権→←それって

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す