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「ごめんなさい、もう一度お願いします。」
マネージャーに言われた時間に会社へ行ってスタジオに入ると、そこでは真剣な顔でレコーディング室に居るAさんが居た。
「え、なんで？」
見慣れたスタッフの中のひとりが、驚く俺を見て「おー純喜」と手を上げる。頭を下げて後ろのソファに座ると、それに気付いた彼女が目を見開いて頭を下げた。
「純喜に、ドラマのサントラ頼みたくて。」
「まじですか？」
「うん。ただし、彼女とデュエットね。」
話を聞くと、今回のプロデューサーはどこかからラポネにAが居ることを知ったらしい。どうしても歌って欲しいと言われた曲がデュエットで、今回俺と歌うことになったと。
無論、お互いに、それを知ったのは今日が初めてだ。
「Aさん、デビューってことですか？」
「いや、本人の希望で顔と名前を隠すからデビューではないけど。…でも、すぐ気付く人は多いと思うよ。」
俺が彼女の歌を聞くのは、今日が初めてになる。会話を終えて、静かになった時。曲とともに彼女の声を聴いた。
綺麗で、透き通って、誰とも違うその声。
愛する人を失いたくないと切望する女性が、相手に向けてその大きな愛を伝えるという歌。その世界観に、彼女の声はピッタリだった。
「一回止めるね。」
いつの間にか終わった歌に、俺は言葉が出なかった。
ボーカリストとしての嫉妬はない。嫉妬するに値しないほど、彼女の声は唯一無二で、聴き惚れてしまったから。
「A、１週間後にやり直そうか。」
そう言ったディレクターの言葉に、俺は思わず驚きの声が漏れた。何がいけなかったのか、全く分からなかったから。
「この曲、どう解釈してる？」
「好きな人を追いかけて、自分に振り向いて欲しいって気持ちを伝えていると思います。」
「そう。Aは、そういう人、居ない？」
「え、」
「その人を想えば、もっと良くなるよ。」
その時、ヘッドフォンに両手を添えた彼女と目が合った。すぐに逸らしたのは彼女で、僅かに赤くなった頬を隠すように俯く。
その顔に、俺は勘違いしてしまいそうだった。
だって今、俺も同じ顔をしている自信があったから。
そのまま交代でレコーディング室に入った俺は、「好きな人に追いかけられる幸せと、その悲しみ」を歌う。もちろん、思い浮かべたのは彼女。
「純喜には、好きな人が居るんだね。」
その言葉をガラスの向こうで聞いた彼女の切なそうな顔は、間違いなく俺の心を踊らせた。
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ゆんこ(プロフ) - 最後あたりの翔也くんにとてもキュンキュンしました (2023年3月27日 21時) (
レス) id: a4539225cc (このIDを非表示/違反報告)
マツ子(プロフ) - ペンバタ。@くれふぁん所属さん» 教えていただきありがとうございます！早急に対応させていただきました。 (2022年10月19日 11時) (レス) id: 67e955b2fa (このIDを非表示/違反報告)
ペンバタ。@くれふぁん所属(プロフ) - コメント失礼します。オlリlフlラついてますよ！違反になってしまうので、外してくださいね。これからも応援してます…！ (2022年10月19日 7時) (レス) id: 7507a04f20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マツ子 | 作成日時：2022年10月18日 22時
